蓮舫氏はダルビッシュ投手を見習え

八幡 和郎

蓮舫氏は結局のところ、国籍選択しなかったのだから悩みもしてなかったわけだが、まじめに悩んでいた有名人というとダルビッシュ有投手がいる。お父さんはやはりイランの国籍を選ぶことを期待していて、本人が思案しているとか言う記事を見たことがあったのだが、Facebookで情報提供をお願いしたところ、地元の大阪でダルビッシュ投手の母・郁代さんが在日コリアンの方との対談で国籍選択当時を振り返っている記事の存在を教えてもらった。

夫は父親として非常に厳しい人で、完璧主義で、服装やしつけもうるさかった。それだけに、当時は有も反抗することが多かったですね。しかし最近になって変わりました。つい最近(注・記事は2008年)日本国籍を選択したのですが、22歳になるギリギリまで選択を延ばしていたのは、父親への気配りだったのですね。「自分は半分イランの血が流れているのだし、お父さんを尊敬している。お父さんの国を大事にしたい」と言ってくれたんです。あんなに嫌がったイランや、反抗した父親のことをそう言うのです。人間として成長したなあと感激しました。

(出典;大阪市・大阪市人権啓発推進協議会 平成20(2008)年3月『多文化共生社会をつくりましょう!』対談 外国籍の人と日本人とが、仲良く楽しく共生していくためにダルビッシュ・セフィット・郁代さん、李 洙任(リー・スーイム)さん)

ダルビッシュ投手は、イラン国籍の選択を望むお父さんの気持ちに配慮しつつ、22歳まで待って日本の国籍を選択したようだ。大リーグへ行くのにもイラン国籍だと厳しかったかもしれない。果たして、ダルビッシュ投手がイラン国籍をきちんと放棄しているか分からないが、たとえ、していなくても、蓮舫のように言語道断だとは思わない。

なぜなら、イランのいまの状態では、「いつかイラン人として生きたい」と思っても、難しい事情があるからだ。野球だけの人生を送ってきたはずのダルビッシュが持っている立派な“国籍観”と青学の法学部を出てキャスター、政治家で昨日まで中国籍の謝蓮舫だった人のいい加減な“国籍観”とあまりにも対照的だ。

 

※アイキャッチ画像はWikipediaより引用(編集部)