日本にも及び始めたイスラム主義活動家の活動

2016年10月22日 06:00

【寄稿】『朝日新聞』オピニオン欄でイスラーム主義活動家の主張にセカンド・オピニオンを – 中東・イスラーム学の風姿花伝 

21日の朝日新聞掲載コメントについて、改めてまとめておきました。
日本にもイスラーム主義の活動家の活動が及び始めましたね。

日本は自由主義社会ですから言論の自由があります。同時に、人間の基本的な権利が、特定の宗教を信じる人、特定の性別の人などには神の示した真理に従って制約されるのが当然、とする思想に対しては、まずは言論で批判をする必要があり、その批判にこたえない、あるいは暴力、または間接的な暴力の使嗾、その他何らかの不当な政治力を用いて押し通すという動きが出れば、やはり最初は言論で対峙するしかないでしょう。

自由な社会とは、相手の自由を尊重しつつ、不可避的・妥当な制約の線を模索することによってしか、守られません。

思想を批判するだけで「差別だ」と主張する運動が出てきて、誰かスケープゴートを見つけて叩いたり、さらにそういった騒動そのものを「日本全体が反ムスリムだ」と言って国際問題に点火させようとする運動とつながると、やっかいなことになりかねません。現在の日本ではそのような紛議が起こる可能性はまだ低いと思いますが、グローバル化はメディアの変化もあって予想以上に早く進行しており、西欧に長く生じてきた問題は、予想外に早く日本にも到達するかもしれません。

しかし、あらかじめ釘を刺して問題点をはっきりさせておけば、問題にはなりません。西欧の失敗から我々は学ぶべきですし、幸か不幸か日本は西欧ほど自由主義を信じている社会ではないので、イスラーム教の規範を掲げて対峙し、「平等」の名の下に優越性の承認を暗黙のうちに、しかし当然のように求める主張の登場に対して、西欧社会ほどには混乱しないと思います。皮肉なことですが。


編集部より:この記事は、池内恵氏のFacebook投稿 2016年10月21日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像はNOFIより引用)。転載を快諾された池内氏に御礼申し上げます。

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池内 恵
東京大学先端科学技術研究センター准教授

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