情弱ニッポンの処方箋!ネットが未来の総理を決める

2017年01月30日 06:00
モーニングCROSS

写真は新田氏(モーニングCROSS/TOKYO MX)

昨年は、ネットメディアが大いに注目された年だった。都知事選、参議院選、その後は蓮舫氏の二重国籍疑惑を追及したことでネットメディアの位置づけに注目が集まった。アゴラでも八幡和郎、池田信夫両氏が豊富な経験と知識で切り込んでいった。メディアの特性を考えた場合、その序列は、テレビが一番強く、ネットメディアの評価は決して高くない。それを一蹴したのが昨年の一連の流れだった。

いま、話題の書籍がある。アゴラ編集長の新田哲史氏(以下、新田氏)が上梓した『蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた? 』である。本書を私なりに解説してみたい。

■情弱ニッポンの課題とは

皆さまは小泉劇場を覚えているだろうか。小泉劇場とは2005年の衆院選にともなう政局のことを指す。当時の政局を主導したのは、小泉純一郎総理大臣(以下、小泉総理)であった。小泉総理は郵政三事業の民営化を推進し法案を可決することを目論んだ。ところが、衆院は可決したものの、参院では造反者が出たことから否決された。そのため、小泉総理は民意を問うとして衆院を解散したのである。

選挙では造反者に対して対立候補を擁立する刺客戦術がとられた。こうした政局はテレビ等を通じてお茶の間に流れることになった。視聴者は政局をゲームを見るような感覚で視聴していた。また政局が劇場型であったことから「小泉劇場」と呼ばれた。

結果は自民党の圧勝だったが、勝因は小泉総理の戦術によるものとされた。争点を郵政民営化に賛成か反対かにしぼることで、まずは反対者を斬って捨てる。次に一般大衆にも善か悪かという極めてわかり易い構図で迫った。野党は郵政民営化以外の争点を見出したかったが失敗に終わる。

新田氏は、メディア(発信する側)と受信する側とに分類し、高度化する政治やビジネスの「世論ゲーム」のテクニックに翻弄される恐れが大きくなることを警鐘している。これは、受信する側が情報弱者であり公人や著名人の言動、注目度の高い組織の動向を鵜呑みにしてしまうことを指す。

特に、継続的に取り上げられる情報の思惑に世論を誘導されかねない。その一つが小泉劇場であった。日本人はあまりに「情弱」(=情報弱者)な側面があるところが懸念される。

■情弱ニッポンの処方箋

情弱ニッポンでは、冷静な判断、建設的な政策論議など夢物語に過ぎない。メディアが進歩しても、国民が情弱のままでは、世論ゲームにいつまでも振り回されてしまう。そうなると、社会保障のカットといった痛みを伴う改革は先送りされる。政治がポピュリスム化するからである。情弱大国からの脱却に向けて何ができるのか考えなくてはいけない。

本書は政治経済をジャンルとするノンフィクションである。しかし、堅い政治経済の書籍ではない。ネットメディアの最前線にいる新田氏が具体的な施策や効果についてつまびらかに綴っており、内容も平易で読みやすい。

アゴラの昨年同時期のアクセス数(月間)は、単体で300万PV、Yahooニュース等への配信分も含めても全体で700万PVほどだった。それを新田が編集長就任以降は、1年を経ずに、単体1000万PV、全体3000万PVを実現している。

政治経済に関心のある方にはもちろん、ネットメディアに関わる方、さらには個人でブログを開設している人にも役に立つだろう。この1年間の全ての施策や流れ、そして結果が把握できるのだからこれ以上の教材はないだろう。ネットビジネスに関わる多くの人に手にとってもらいたい。

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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