百条委員会は小池知事を延命する「パンと見世物」

2017年03月19日 13:18


東京都の百条委員会が始まったが、何も出てこない。あすの石原元知事の喚問が山場だが、豊洲移転を左右するような話は出てくるはずがない。この委員会は移転の是非を議論するはずだったが、始まる前に小池知事が豊洲の「安全宣言」を出し、何のためにやるのかわからなくなった。「豊洲は安心ではない」というなら、彼女が「安心です」といえばすむ。

猪瀬氏のいう談合疑惑も決定的な証拠があるならともかく、手ぶらで質問しても何も出てこない。たとえ入札に談合が出てきたとしても、彼も認めるように、それは豊洲移転の是非とは何の関係もない。「ドン」内田氏の疑惑を追及したければ、刑事告発でもして都議会とは別の場でやるべきだ。

あたかも疑惑解明が移転の条件であるかのように騒ぐマスコミも、いい加減にしてほしい。きのう出てきた「瑕疵担保責任」も、今のような過剰コンプライアンスを求められたら、東京ガスには莫大な損害が出たはずで、東京都がそれを免責したのは当然だ。

築地の業者が駄々をこねる相手をして、都が20年以上も時間を空費しているうちに、豊洲が完成したころは魚市場そのものが無意味になった。豊洲のゴタゴタをいやがる業者は、大田市場(写真)に移転し始めた。こちらの面積は38haで、豊洲とそう変わらない。卸売業者には集積の利益があるので、豊洲移転がこれ以上延期されたら大田に集団移転するだろう。

それでも小池知事の支持率は80%を超えている。ワイドショーで「エコ」を演じる彼女に、まだ多くの都民がだまされているからだ。百条委員会は彼らに「パンと見世物」を与えて問題をすりかえる愚民政治だが、石原氏の喚問が不発に終わったら小池氏の政治生命も終わるだろう。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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