「ようやく本質を訴える声が聞こえ始めた」森友問題 --- 高幡 和也

寄稿

先月から今尚、連日ワイドショーを賑わせている森友問題ですが、籠池氏の証人喚問の終了によって今後は良くも悪くも「二極的」な思考での意見が聞かれそうです。

昨日、某局のワイドショーでコメンテイターの一人がこんな趣旨の発言をしておりました。

(森友問題で)「大事なのは何故、どんな経緯で大幅な値引きが行われたのか、小学校の認可に不適当な行政の裁量がなかったか、という事。この問題を野党が政治利用し、さらにそれをワイドショーが面白おかしく取り上げている。」

この趣旨の発言をした後、そのコメンテイターは、ハッとした顔になり、司会の男性タレントと顔を見合わせ互いに苦笑いをしておられました(笑)。

国会の野党議員の方々は、おそらくですが、顔を見合わせたワイドショーのコメンテイターと司会者の二役をこなしている自覚があるのだろうと思います。問題の本質に近づきすぎて、不法行為にのみ焦点があたり、この事態が早急な幕引きになるのは望んでいないでしょうし、一民間人の不法行為を暴くだけでは勿体無い久々の「安倍政権の隙」ですから。

しかし、籠池氏の喚問が終わった今、国民(視聴者)も徐々に今回の森友問題の本質に気付き始めました。

「忖度」けしからん。

から、

何が不法行為だったのか?

何が違法なのか?

今後、国民(視聴者)の興味は、底の見えない疑惑を暴き出したい高揚感や、力を持つ者に対する大獄への期待というものから、現実的な法治による結果を求めていくのではないかと思います。

つまり、一連の問題の各関係者に、それぞれどのような法的責任が問えるのか否かに焦点が移っていくのでしょう。

まもなく、連日テレビから垂れ流されるゴシップ誌のような政治ショーに苛立たされることが少なくなるだろうと期待する反面、日本が隣国のように、一時の感情と雰囲気が法治の在り方そのものに影響を与える国になってしまっているのでは、という一抹の不安を抱えながら、今もテレビのワイドショーを眺めています。

高幡 和也 会社員/宅地建物取引士
不動産売買、賃貸に関わること26年。宅地建物取引業のプロフェッショナルとして、現在も営業の第一線で奮闘中。

※編集部より(28日午前0時)表題の筆者名、「高幡」氏とすべきを「高橋」と表記しておりました。高幡様、読者の皆様に謹んでお詫びするとともに訂正いたします。