田原氏が蓮舫二重国籍を知ってた可能性が昭恵寄付より高い ?

2017年03月29日 06:01

田原総一朗氏の、『昭恵夫人から「100万円の寄付」はあったのではないか〜田原総一朗インタビュー』(BLOGOS)を見て、あまりにもお粗末と呆れた。

『安倍昭恵・首相夫人から100万円を直接渡されたと、国会の証人喚問で明言した。その内容は具体的で「100万円の寄付はあったのではないか」という印象を与えた』

『現時点では「寄付があった」という決定的な証拠があるわけではない。だが、一方で「寄付がなかった」という証拠もない。籠池氏の証人喚問が終わっても、真相ははっきりしないが、100万円の寄付はあったのではないかという気もするのである』

とおっしゃっている。

しかし、これはひどく乱暴だ。まず、密室でのやりとりが信じるに値するとするのは、その証言者がいっていることがだいたいにおいて間違いない信頼に足る人物であることが前提だ

しかし、「天皇陛下が来た」とホームページに載せておきながら、「その事実はない。HPにそういうことを載せているとは知らなかった」といっているこの人物のいうことがまったく信用ならないものであり、社会的に受け入れがたいということは明らかなのではないか。その陛下が来られたというHPの記述だって十分に具体的だ。

安倍首相が来たというのも嘘と認め、はしごを外されたといっている松井知事とは個別に面談したことすらないと訳の分からんことを証人喚問でもいっている。

安倍夫人の寄付の話は、苦し紛れの状況になってから言いだしたものだ。そして、菅野氏が入れ知恵を始めてからのものだ。当然、念入りに準備されたものと見るべきだ。それがあたかも小説がごとき具体性をもっているとしても不思議ではない。

人払いをしたというのも、夫人の行動監視というと言い過ぎかも知れないが、脱線しないように目を光らしているはずの秘書たちを振り切るのも難しいだろうし、園を出てからすぐの口止めのような電話も秘書や運転手が聞いているところでしたというのも不自然だ。

それでも田原氏が寄付はあったというなら,もう少しましな根拠を示すべきであろう。これでは、拉致被害者が死んだと言ったときと変わらぬ軽率さだ。

田原氏は蓮舫氏の二重国籍を知っていたのか

それから、田原氏についてぜひ知りたいのは、蓮舫氏の二重国籍を田原氏が知っていたかどうかだ。以下は、『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(飛鳥新社)に私が書いた内容の要約だ。

田原氏は『週刊朝日』(2016年9月30日号)に何とも大甘の蓮舫擁護のエッセイを書いた。どんな非行をしても、可愛い孫娘が悪いはずないと言い張るお祖父ちゃんの風情で微笑ましいとも言えるが、オピニオンリーダーとしての矜持は感じられない。

それより、田原氏は二重国籍を知っていたのでないかという疑問がある。朝日新聞に出たテレビ朝日の番宣記事で蓮舫は二重国籍であることを明言していたのだから、テレビ朝日関係者に広く知られていたはずだ。また、その後、二重国籍について知っていたことが明らかになっているマスコミ人には田原氏に近い人が多い。 まして、蓮舫の配偶者は田原氏の元アシスタントで仲人は田原氏の野党人脈のキーパーソンである高野孟氏だ。この状況では、田原氏は二重国籍を知っていた可能性は非常に高い。

すでに多くのマスコミ人が二重国籍のことを聞いていたことがあると明らかになっている。彼らはそれを知っていながら沈黙を守っていたとしたら社会的責任がある。そういう人たちに限られた資源である電波が独占され、国民の知る権利が阻害されていることこそ問題だ、日本人の知る権利をもっとも阻害しているのだ。

『週刊朝日』の記事に拠れば、田原氏は「蓮舫氏は、85年に台湾籍を抜いたものと信じ切っていたため、いずれの手続きもしないで過ごしてきた」といっている。しかし、9月のはじめに辛坊らがだまされた言い草を9月末になっても信じているとは信じがたい“情報弱者”ぶりだ。

「厳しい疑問を受けて、念のために、9月6日に除籍の照会をした。すると12日に、実は除籍されていないという返事が来たのだという」などといった趣旨のことをいっているが、照会しなくともすぐわかったことだと一般に理解されていると思うが、田原氏はそんな簡単に言い分を丸呑みにするのか。

「繰り返しになるが、蓮舫氏は台湾籍を放棄したものと思い込んでいたのであって、曖昧にしていたのではない」と仰るが、何を根拠にそんなことが言えるのか。本人は二重国籍を吹聴していたのであって、しかも、田原氏の取り巻きといってよい人たちがそれを扱ったインタビューなどの相手だ。

「参院議員になるとき、あるいは閣僚になるときに二重国籍がチェックできていなかったとすれば、むしろ国家のチェック機能そのものに問題がある」というが、悪事を防げなかったら国の責任で本人の責任は二次的なものという論理は驚天動地だ。

田原氏は「確かに容易ならぬ手抜かりではあるが、彼女が台湾籍を有していたことで、具体的に何か不都合な事態が生じたのであろうか。民進党の代表選でも、他の候補者からこの件での蓮舫批判は生じなかった」というが、二番ではダメかというのはやっぱりそういうことだったかと多くの人が思っているのであるし、民進党内では泥仕合になるので具体的に表で追求するのを遠慮しただけだ。

しかも、最初から国籍選択すらしていなかったと言うなら展開は違ったはずなのであって「民進党の議員たちは、彼女が混乱を招いたことを謝罪して、すぐに台湾籍放棄の手続きをしたことで、事実上、事態は終わったと考えているのであろう」というのはいかにせん乱暴だ。

多くのメディア関係者は間違いなく知っていた

蓮舫氏の二重国籍について、多くのメディア関係者は間違いなく知っていたのである。なにしろ、朝日新聞に掲載されたテレビ朝日の番組宣伝記事で「在日の中国国籍」といっているのだから。

その状況で、番組で蓮舫氏を抜擢し、自分のアシスタントが蓮舫氏と結婚したという田原氏が知らなかったとしたら、よほど、間抜けだ。

といっても、断言など私もよくしないが、これだけ並べただけで、田原氏が安倍昭恵氏による寄付はあったのでないかと推測するよりはよほど具体的な根拠は示せていると思う。

そして、もし、田原氏に限らず、メディア関係者が蓮舫氏の二重国籍を知っていながら、参議院議員になり、大臣になり、民進党の代表になろうとしていた過程で、沈黙していたとすれば、それは許されることなのだろうか?少なくとも、我々が二重国籍問題を取り上げ、一部からデマローグ扱いされていたときに沈黙していたのはなぜなのか?

そして、指摘が正しく、かつ、蓮舫氏自身が知らなかったはずはないことが明らかになっても、なお、蓮舫氏は知らなかったはずだとかいい、それも嘘らしいとわかってもメディア関係者から謝罪一つないのは腑に落ちないのである。

そして、その一方で、(もちろん寄付がなかったと100%の断言などできないが)、安直にまったく信用できない人物の一方的な発言を取り上げて、「あったと思う」というのは、ちょっと安直にすぎるのではないか。

さらに、今晩の報道ステーションでも、民進党の斉藤嘉隆議員が、「寄付を否定するなら根拠を示さなければならない」と指摘したと追及した場面は細かく放送したが、首相が辻元氏が公の場で説明していないことを念頭に、「御党の辻元議員との間にも、同じことが起きている。今日の新聞に『3つの疑惑』と出ていましたね」「いっしょにするなというが、辻元議員は真っ向から否定している。これも証明しないといけない」と指摘し辻元氏への説明を求めた部分はまったく削除して放送。これでは、国民の知る権利は蹂躙されたといわれても仕方あるまい。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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