衆院法務委員会に参考人で呼ばれました

2017年04月22日 06:00

いつかは呼ばれることになるのではないかしら、と思っていたのだが、本当に呼ばれることになった。

来週の火曜日、25日に衆議院の法務委員会に参考人として呼ばれることになった。
証人ではなく、参考人。

最近は国会や地方議会で証人喚問や参考人招致が行われている様子がテレビ等でよく放映されるようになったから、国会で参考人!などという言葉を耳にされたら、え、何かトンデモナイことでもしでかしたの?大丈夫?などと心配してくださる方がおられるかも知れないが、私の参考人は、あくまで国会審議のほんの参考までの参考人質疑でしかない。

大臣がそう簡単に答えられないような専門的、技術的な事項について大臣に成り代わって答弁を引き受けるような政府参考人ではなく、あくまで国会の審議を充実させるために有益と思われる知見や情報などを委員会に提供するための一般の民間人参考人である。

本当に有識者かどうか分からないが、一応有識者としての扱いを受ける。
本当に参考になるかどうかは分からないが、それでも参考人と呼ばれる。

かつて国会で参考人質疑や証人喚問を担当したことがある私が、今度は衆議院の法務委員会で参考人になる。

多分、珍しい例になると思う。

心配しているのは、果たして本当に現職の国会議員の方々の参考になるかしら、国会の審議のプラスになるかしら、ということである。折角参考人として国会に招致したのに、議論が錯綜して反って国会の審議を混乱させてしまった、などということになったのでは悔いが残る。

参考人として来てもらってよかった、それなりに役に立った、とどなたかに言ってもらえるようでないと、国会に参考人として出る意味がない。わざわざ国会に恥を晒しに出向きましたね、などとディスられるようなことになりませんように。

最近は表舞台に出て世間に自分の恥を曝け出してしまう閣僚や政務官などが相次いでいるので、自戒した方がよさそうである。

私が参考人として呼ばれているのは、勿論、共謀罪関連法案についてである。

11年前に上手く戻れるかしら?

温故知新という言葉を聞く機会は、最近はまったくない。
故き(ふるき)を温ねて(たずねて)新しきを知る、という意味だが、ごく真面目な学者や研究者を除いて、皆さん、あまり古いことを引っ張り出してあれやこれや詮索されることは少ないようだ。

10年一昔と言われているので、11年前のことだと言えば覚えている人は少ないだろうし、思い出そうとする人も少ないだろう。

テロ準備罪と言っている人たちは、11年前のことなど今の自分たちにはあまり関係ないことだと思っておられるかも知れないが、私にとってはそう簡単には忘れられないことだ。
しかし、その私でも11年前のことを詳細に覚えているかと言えば、そんなことはない。

タイムマシンにでも乗らないと、そう簡単には11年前には戻れない。
11年前に上手く戻れるかしら?ちゃんと私のタイムマシンは働くのかしら、というのが、目下の私の心配である。

11年前にどこまで議論を深めたのかしら、ということを懸命に思い出そうと努力しているところである。
最近は身辺の整理でどんどん古いものは捨てて行っているので、記憶していることもどんどん風化し、いつしか消えて行ってしまっている。

思い出そうとしても、実は本当のことは大体忘れている。
資料があれば、その資料が記憶喚起の引き金になって様々な記憶が蘇ってくるのだが、11年前の衆議院法務委員会での質疑や法務委員会理事会での細かいやり取りなどはなかなか蘇ってこない。

へー、こんなことまで検討していたんだ、などと私自身が驚くほどに、11年前には実に丁寧に議論していた、という資料が出てきた。

先日、その一部だけをご紹介していたのだが、いよいよ参考人として国会に呼ばれることになったので、その全文をご紹介する。2006年6月16日の法務委員会の議事録に参照掲載された自民・公明修正試案に明記された配慮事項と留意事項である。

今、改めて読み返すと、表現にこなれていないところが散見され、今の私だったらもっと手を入れるだろうな、と思うが、当時としては相当丁寧に修正案の作成に奔走していたことが分かる文章になっている。

さて、今国会でこうした配慮規定や留意事項は蘇るだろうか。

(配慮規定)
4 第1項及び第2項の規定の適用に当たっては、思想及び良心の自由並びに結社の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限するようなことがあってはならず、かつ、労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。

(留意事項等)
改正法附則
(組織的な犯罪の共謀の罪についての留意事項等)
第30条 第3条の規定による改正後の組織的犯罪処罰法第6条の2第1項及び第2項の規定の適用に当たっては、これらの規定が一層効果的に国際的な組織犯罪を防止し及びこれと戦うための協力を促進することを目的とする国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するために定められたものであることにかんがみ、同条約の目的を逸脱することがないように留意しなければならず、いやしくもこれらの規定を拡張して解釈するようなことがあってはならない。

2 当分の間、第3条の規定による改正後の組織的犯罪処罰法第6条の2第1項及び第2項の規定は、長期5年以下の懲役又は禁固の罪が定められている罪に当たる行為の遂行については、特に慎重に適用されなければならないものとするとともに、当該共謀に係る同条1項及び第2項の規定の施行の状況については、検討が加えられ、必要があると認められるときは、その検討の結果に基づいて法制の整備その他の所要の措置が講ぜられるものとする。

3 第3条の規定による改正後の組織的犯罪処罰法第6条の2第1項又は第2項に規定する共謀をした者がその共謀に係る罪を犯したときは、当該罪を定めた規定により処罰され、同条第1項又は第2項の規定により処罰されないことに留意されなければならない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年4月21日の「共謀罪」関連記事をまとめて転載させていただきました(アイキャッチ画像はTBS「報道特集」の早川氏インタビューより)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。

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