東国原さんとのテレビ討論の意外な結論

2017年06月25日 14:00

フジテレビ系「バイキング」で論戦した2人(ツイッター@ruleoflaw1122 より:編集部)

フジテレビの「バイキング」に二回ほど出演して東国原・元宮崎県知事と大激論を繰り広げることになったが、議論の途中経過と達した結論が反対に交差してしまって笑えた。

加計学園や森友問題が主なテーマだが、東国原さんは厳しく安倍内閣の驕りを追及され、私は、「森友はプチスキャンダル、加計は何の問題もない」という立場だ。

「貴方は安倍内閣擁護なんだろう」と言われたから、「加計についてはそうだというだけ」となどと言っていたのだが、最後にどんでん返しがあった。

東国原氏は、「自民党のなかで反安倍勢力に抵抗して欲しい」と仰る。そこで私は、「民進党が政権の受け皿としてしっかりすれば安倍内閣も良くなるはずで野党がだらしないからダメなのだ」といった。

そうすると東国原氏は「民進党には期待できない」と仰る。そこで私は「フランスでも社会党のなかからマクロンが飛び出て政権を取った。民進党のなかでもそこから飛び出して政権を取る党になることは不可能でないはず」と申し上げた。

私はいまも、基本的には二大政党論者である。与党が党内抗争ばかりしていては、外交や長期的課題に政権は取り組めないし、55年体制のもとでしばしば、それなりの水準の総理が短期で政権から引きずり下ろされて弊害が目立った。

小選挙区制がいけないとか、中選挙区制の時代が良かったとかいう人がいるが、党内抗争の激しさの弊害をすっかり忘れているらしい。

政権交代は、与党内での首相交代は、首相が十分にやることやったとか、そうでなくとも長すぎるとか、選挙で政権を失わないまでも非常に悪いスコアだった、スキャンダルや病気というときが原則で良い。

やはり政権の対抗勢力は、野党第一党というのが筋なのだ。

そのためには、「今度は政権を任せてみたい」という野党でなくてはならない。そして、いちばん大事なことは、前回の政権時の反省がきちんとできているかだ。

しかし、現実の民進党は、与党だったときと比べて、ますます、左寄りに、また、ダボハゼ的に支離滅裂なさまざまな方向で政府批判したり国家的課題への対処を妨害する方向でばかり動いている。

安保法制では集団的自衛権を支持していた幹部たちがこぞって共産党みたいなことを言い出した。テロ党準備罪(共謀罪)でもかつての民主党案に近い点まで批判した。

加計問題では、前川喜平というもっともふるい自民党的な守旧派の権化に与して、政治主導を批判し、汚い既得権益保護を正義のようにいう腐った官僚を英雄に仕立て上げた。

民進党にとって、この問題の正しい対処は、あらためて、前川氏を事務次官に任命した政府の任命責任を問い、天下り問題でなぜ刑事責任を問うべく努力しなかったか糾弾し、出会い系バー出入りを察知しながら官房副長官からの警告だけで住ませたのか、守旧派官僚が政治家の発言などを内部資料を不法に暴露して政治主導に抵抗することを批判すべきだ。

あるいは、天皇陛下のお言葉通りになぜしないという論理を、左派・リベラルを自称する党が使うのは驚天動地だ。本来、昨年のテレビでのお言葉発表に対して、立憲主義や象徴天皇制に挑戦する暴挙だとそれを許した政府を糾弾することこそが、リベラルな立ち位置ではないか。

それを首相と天皇を対立的にとらえて、天皇のほうにつくのが民進党だといわんばかりに国会でも質問し、アングラ放送を流すなどあきれてものもいえない。

ついでに、番組のなかで、安倍首相はこれからどうすべきかと言われたので、次のようにいっておいた。

まず、森友問題については、(籠池氏はおそらく逮捕や起訴をされることの可能性が高いと思うが)、きりのいいところで、安倍昭恵夫人が悪意はなかったにせよ不注意で広告塔として利用されたことにつき、なんらかの形で国民に謝罪をすべきだ。

政治家でもタレントでもない人を、慣れない追及の標的にされるのは不安だし気の毒ではあるが、それは、政治家の記者会見のようなものである必要はあるまい。カメラの前で話し、予告された質問に答えるくらいで良いと思うが、そのくらいは必要だ。それを逃げたことが、森友にも飛び火したのだと思う。

もうひとつの加計については、かねて書いてきたように、あの問題そのものには何の問題もないと思うが、やはり、政治主導のガイドラインは必要だし、国民の不信を買った菅官房長官流のクールでつまらん質問には突き放したような回答で良いというスタイルも支持されなくなっている。

ここは、別に官房長官が交代すべきだと言うことでないが、質問に必要最小限答えると言うよりは、なにごとについては、国民に少し先回りしても分かりやすく説明するというスタイルをお薦めしたい。

一方、記者会見は野党との討論の場ではない。ジャーナリストとしての質問の枠組を超えた一人のジャーナリストのしつこく長い再質問など対応する必要ないのである。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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