過労死漫画が話題に!死ぬまで頑張ってはいけない

2017年06月30日 10:30

画像は本記事紹介の書籍より。出版社許可にて掲載。

2016年に自殺した人は21,897人となり、22年ぶりに22,000人を下回った。しかし、年代別に見ると、15~39歳の死因第1位が「自殺」である。こうした状況は、先進国では日本のみであることから国際的に見ても深刻な状況だといえる。

いま、注目されている書籍がある。『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版)だ。Twitterで30万リツイートを獲得し、NHK、毎日新聞、産経新聞、ハフィントンポストでも紹介された過労死マンガの書籍版である。

著者は、汐街コナ氏。デザイナー時代に過労自殺しかけた経験を描いた漫画が話題になり書籍化にいたった。監修・執筆は、精神科医・ゆうきゆう氏。自分の人生を大切にするための考え方が、わかりやすくまとめられている。

「頑張るのはあたり前」はあたり前でない

――汐街コナ氏は自らの経験を踏まえて、予防するためのヒントを語っている。いくつかを紹介したい。

「私の話をいたします。そもそもなんで、うっかり電車に飛び込んで自殺しそうになるまで働いていたのかというと、理由はいくつかあると思いますが『まだ大丈夫だと思っていた』。これに尽きると思います。周囲も深夜残業をしまくっていたので『そういうもの』だと思っていました。」(汐街コナ氏)

「軽いめまいなどの体調不良はありましたが、決定的な体調の異変もありませんでした。なんの疑いもなく日々の仕事を続けていました。」(同)

――体調に異変がなければ問題があるとは思わない。日々の仕事をいつもと変わらなくこなすことは自然な流れである。

「やめられない理由はいくつかあると思います。『まだ勤めて短い』『人間関係は悪くない』『スキルを学びたい』『同業他社に比べたらマシ』『転職の不安』など。ですが、うっかり自殺しかかって、はじめて『死の危険』をまのあたりにしました。私の場合は、判断力を失う前に気がつくことができました。」(汐街コナ氏)

「いまの状態は『大丈夫じゃない!』と状況から抜け出すことに、頭を切り替えることができたのです。ですが、自分を犠牲にして本当の限界まで気がつくことなく頑張ってしまう人が多いことも事実だと思います。」(同)

――また、会社が労働者のメンタル的な状況を把握しているわけではない。センシティブ情報なので扱いが難しい。結局は本人が把握し予防する以外にはない。

「当時、私はデザイナーでした。『好きなことをしているので頑張るのはあたり前』だと思っていました。周囲も同じような考えでした。『頑張るのはあたり前』だという意識は、次第に自分を追い詰めていきます。ちょっと注意してみてください。」(汐街コナ氏)

上司の世代を把握して対応を考えよう

――あなたの上司は何歳くらいだろうか。上司は世代ごとに特徴があるので覚えておきたい。例えば、私のようなバブル世代の人は、「24時間戦えますか?」が合言葉だった。この世代は、若い頃、上からダメ出しをされたり、ガツンと怒られ、なじられながら育ってきた世代だ。セクハラやパワハラなんて言葉は知らない。

社内でウツを発症する人がいても理解はされない。実際、私が所属していた会社では、次のようなケースが日常的におこなわれていた。このような指導を受けてきた人は、それが正しい指導法だと思い込んでいる。自分がされたことがスタンダードになる、という側面もあるから対応が難しい。

ケースA
上司「明日来なかったらクビになるとしても会社に来ないの?ん」
部下「頑張って早起きして出社したいと思います!」
上司「ウツって癖みたいなもんだ。悪い癖は直さないとな!」

ケースB
上司「お前なんか死んでしまえ!バカ野郎!」
部下「もういいです(嗚咽をもらす)」
上司「お前は、死ねって言ったら死ぬのか?バカか!」

――働く人が心の病気になる原因は「パワハラ」ではないかと思う。しかし、パワハラを認識していない人に「パワハラ」と指摘しても効果はない。労働者が見識を高めることも必要になってくる。そのためには情報が必要だ。

「もし、パワハラ上司がいたら、次ぎのように思ってください。『そんなの自分には関係ない』。世の中には過酷な状況の人はたくさんいるでしょう。もっと我慢して努力している人もいるでしょう。でも、そんなのあなたには関係ないですよね。」(汐街コナ氏)

「向き不向き、組織や環境の問題、上司に問題があって解決できないこともあります。『できない』ことと『頑張る』はつながっているのではありません。精神論だけで乗り越えられるものでもありません。」(同)

――大切なことは、自らを客観視することにある。汐街コナ氏の生々しい体験を、精神科医・ゆうきゆう氏が解説する内容には、リアリティがある。現代社会で働くストレスを抱えるすべての人におすすめしたい。また、思わぬ形とはいえ「出版」の夢が叶った、汐街コナ氏の前途を祝したい。

参考書籍
「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版)

尾藤克之
コラムニスト

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