ネットセキュリティとリテラシー

2017年07月19日 06:30

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が『ネットワークビギナーのための情報セキュリティハンドブック』を出版した。NISCサイトでダウンロードできるほか、多くの電子書店で電子書籍として無料配信されている。

タイトルに「ネットワークビギナー」と付き、報道資料にも「特に夏休みを控えた小中高校生の皆様など、広く国民の皆様に本ハンドブックに触れていただき」とあるが、160ページ近いハンドブックの内容を理解するには相当の知識、リテラシーを必要とする。

内容は充実し、サイバー攻撃への備えの全貌が一読できるハンドブックは社会人に適した情報源である。国民啓発のためにこれを発行したNISCの尽力に敬意を表する。

公衆無線LANに警戒するようにと注意喚起されていた点は興味深かった。不用意に公衆無線LANを利用するとパソコンやスマートフォンから情報が漏洩する恐れがある。ハンドブックは気軽に公衆無線LANを使ってはならないと呼びかけている。総務省などは公衆無線LANの整備を進めているが、警戒すべきとするNISCのほうが正しい。府省間での政策のすり合わせを求めたい。

アナログな対処方法がいくつか書かれているのには笑った。パスワードを忘れないように「物理的な紙のノート」での保管が推奨されているのが典型である。心当たりのない添付ファイル付きのメールを受け取ったら、発信者に「電話などの別通信経路」で問合せすべきとも書かれていた。アナログではない安全な対処方法の開発と、国民への普及、リテラシー向上は今後の課題である。

ハンドブックがアクセシビリティに無配慮なのは大きな問題である。サイトからダウンロードできるPDFは一切読み上げできない。電子書籍といっても画像PDFに過ぎないので、スマートフォン画面では文字が小さすぎて読みにくい。これは、東京都の発行した電子書籍『東京防災』でも起きた事態だが、官公庁にアクセシビリティへの意識が欠如しているのは大問題である。

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