京都国際映画祭2016

歴史と文化を備えながら、最先端への挑戦をやめることのない京都。日本の映画のふるさと京都。この地で開かれる京都国際映画祭、第3回。実行委員長を務めました。
映画祭でありますが、タダの映画祭ではありません。「映画もアートもその他もぜんぶ」。ぜんぶのお祭りです。今回のテーマは「京都上ル上ル」。
(パーティー司会はロザン+チャド・マレーン。)
京都の街もぜんぶ使います。オープニングは世界遺産・国宝、二条城。西本願寺、大覚寺、京都市役所、京都国立博物館、立誠小学校、能楽堂、藤井大丸、イオン、ぜんぶ。
 
 
 
 
今くるよ師匠、坂田利夫師匠らと記者会見。
(こちらの司会は藤井隆さん木村祐一さんでした。)
 
そして、このイベント、最大の特徴は、みんなに参加してもらうこと。映画のひとも、アートのひとも、行政も産業界も、学生はんも子どもらも、おおぜいの芸人さんも、みんなが参加して、みんなが作る祭りです。
(文枝師匠、きよし師匠、篠田正浩監督、名取裕子さん、内田裕也さんらと乾杯)
「『京都国際映画祭』が開幕 世界遺産・二条城でオープニングセレモニー」
「京都国際映画祭2016が二条城で開幕!アンバサダー名取裕子「世界中に注目してほしい」
「京都国際映画祭が開幕」
「篠田正浩氏「こんなに京都に縁があるとは」」
「小津安二郎の本邦初公開作品も!京都国際映画祭が開幕」
「ジャイアント馬場さん、京都市役所前に」
慶應の学生はけしからん!とぼくはロケンローラーにめっちゃ叱られました。
「〈速報〉内田裕也やっぱり暴走フライデーに都知事に怒り」
京都国際映画祭、ルポつづき。アート編。
今年も木屋町の立誠小学校跡地をアート展示に使わせてもらいました。
目玉は蛭子能収さんの「えびすリアリズム」。大型作品やマンガの原画、18禁モノのマンガなど。
Netflix「火花」で徳永の相方を見事に務めた井下好井の好井まさおさんが教室で火花を解説してくれてました。
(とろサーモン村田さんの話も聞きたいな)
キティちゃんは、何でもやる。その姿勢、勉強になります。
市役所前広場の目玉は、永井英男「へそで投げろ」。全長7mのジャイアント馬場がクルマをバックドロップ。
門川市長いわく「市長室から観るのが一番ええアングルやで、有料で入れたる」。
木村祐一さんいわく「馬場さん現役のころバックドロップしてへんかったで」。
藤井大丸の中はシャンプーハットこいちゃんのシュールな作品がたくさん並べられていました。
 
藤井大丸の正面玄関には、Chocomooさんの期間限定らくがき「エントランス・マジック」。
平安神宮のそば、京都伝統産業ふれあい館のガラスは、中島麦さんのらくがきです。
明和電機「ヒゲ博士とナンセンス★マシーン」などを展示してくれた西本願寺の前には、Yottaさんの「金時」。石焼き芋のデコカー。想像力とコミュニケーションが路上にあった「あの頃」を問う。
イオンモールKYOTOは渡辺直美展。インスタの女王、海外でも人気を博する渡辺さんの世界観。長蛇の列です。
カッコいいんです、渡辺さん。
「渡辺直美「彼氏はいますか?」に回答 「口が滑って」赤裸々告白」
イオンモール桂川では、映画ギャグパネル展。本格的に作り込まれたパネルのバカバカしさ。
たくさんのお客様にお越しいただき、感激。
ネタとしていちばんグッと来たのはコレでした。
映画祭連携企画として、建仁寺で開催中のアーティスト・土佐尚子京大教授の展示とコラボしてみました。
京都は学生比が日本一高い都市。来年は大学との連携を広げたい。みなさん、よろしゅう。
 
吉本興業とアマゾンが組んで、小説やマンガの原作を発掘し、Amazonでの出版や映像化という出口を用意するプロジェクトの会見が開かれました。「原作力」がエンタメ界のパワーの源。そのための仕組み作りは重要な意味を持つ。さて、どうなるでしょう。
詳しくはこちら。会見中、麒麟・田村さんが一発屋ならぬ「一冊屋」と呼ばれていました。一冊でも当てたらええやんね。
「よしもとが原作発掘に一役」
 

海外プレスから突っ込まれたのは、国際性。京都でのイベントは放っといても国際的になるんですが、だからぼくも一段強い国際性の発揮が課題だと思ってます。ただ、通常の映画祭のような業界的発信ではなく、海外みんなの参加型にしたい。知恵ください。
 
第3回の柱は?とのCNN質問。映画もアートもその他も「ぜんぶ」、京都の東西南北「ぜんぶ」、そして「みんな」の参加型。この3点を定着させたこと、と回答。すると、everything、everywhere、everyoneの拡散はコアを薄めるのでは?との質問。うむ。
 
コアは「京都を表現すること」と回答。古典文化から先端技術までの「ぜんぶ」性、世界遺産や市役所でポップアートとギャグを見せる「ぜんぶ」性、貴族と町衆の参加型文化、まだ内外に示しきれていないまるごとの京都を示したい。
で、クロージングは阿部寛さん。
「『京都国際映画祭2016』が閉幕 阿部寛が三船敏郎賞を受賞「これからも映画とともに」」
「阿部寛 三船敏郎賞を受賞 「これをバネに」とさらなる飛躍誓う」
死者も出さず犯罪者も出さず、無事閉会。おおきにありがとさん。
今年もよろしゅうに。
「京都国際映画祭2016」に関する記事

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年9月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。