イスラエルにとって益々脅威となっているイラン

2017年10月08日 06:00

イラン軍のT-72Z型戦車(Wikipediaより:編集部)

イランは9月22日、イランとイラクの1980年の開戦を記念して軍事パレードがイラン国内各地で行われた。テヘランでの軍事パレードでは新型ミサイル「ホラムシャハル」が披露された。この弾道ミサイルは射程距離2000キロ、複数の核弾頭が搭載可能で、それぞれの弾頭が異なった標的を攻撃できるという。

その翌日23日には、この弾道ミサイルの発射実験にも成功している。射程距離2000キロの弾道ミサイルは今回の新型ミサイルが3番目のミサイルだとされている。

即ち、イランはイスラエルに届くミサイルを3種類保有しているということになる。

今回のミサイルの実験を前に、イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン国防相は「イランが発射した弾道ミサイルは米国そして連合国を挑発し、平手打ちを喰らわしたようなものだ。それは世界の強国になろうとしている証拠だ」と述べた。更に、同国の高官のひとりは「イランは核兵器を手に入れようとしている」と指摘した上で、「イランが核兵器を手に入れるという事態になることは許されるべきではない」と述べた。

イスラエルは今回のイランのミサイル発射実験を深刻に受け止めている。その背景には2年前の2015年の時点で、イランのハメネイ最高指導者の軍事顧問ラヒム・サファビが次のような発言をしているからである。「イスラエルと米国はイランとヒズボラの武力を認識するようになっている」「彼らはテル・アビブとハイファに8万発のミサイルを落とすための用意が整っていることを知っているのだ」と述べたことがあったからである。

それに加えて今回の新型ミサイルもイスラエルまで届くミサイルだとしてイスラエルは更なる警戒が必要になっている。

サファビが8万発のミサイルを準備しているという発言を導いた理由は、その2週間前に当時のイスラエル国防相モシェ・ヤアロンがガザとレバノンとの紛争の背後にいるイランをイスラエルは核兵器で攻撃する用意があると示唆したからであった。

更に、同年5月にもイスラエルの高官のひとりが「ヒズボラが10万発のミサイルをイスラエルに向けている」と指摘したことがあった。しかし、その半年後にはそれが50%増えて15万発を保有しているという情報をイスラエルが掴んだという。即ち、イスラエルのどこにも届く射程距離を持っているミサイルだ。

その上、イスラエルが実行支配しているゴラン高原を奪還すべくヒズボラは1万人の戦闘員をゴラン高原との国境に配置しているというのだ。

また、今年9月にはイランの革命防衛隊の隊員のひとりがイランがレバノンの地下にミサイルの建設工場を設けた明らかにした。それはイスラエルからの空爆による被害を避けて地下50メートルに工場を建設し、長距離射程のミサイルの生産が目的だとしている。

イランがミサイル開発に精を出してイスラエルに脅威を与えていることに対して、イスラエル養護第一人者のトランプ大統領は10月15日に核合意で結ばれた条項を署名することになっている。が、イランは核合意の条項を履行していないとして署名しない意向を先の国連での演説内容から示唆した。署名しない場合は議会に60日の猶予を与えて、核合意をそのまま延長するのか、修正案を出すのかといったことが決めらることになっている。

それに対して、ロシアは核合意にはミサイル開発の禁止は謳われていないとして、今後もイランのミサイル開発に干渉する意向はない。フランスとドイツも核合意の見直しに反対している。

歴史とは皮肉なもので、イランのルーツにあたる古代帝国アケメネス朝ペルシャは新バビロニア王国に捕囚されていたユダヤ人を解放してエルサレム第二神殿を建設させた。この時のペルシャのキュロス大王はユダヤ人によって救世主と呼ばれた。

それから2500年経過した現在、イラン革命で誕生したイラン政府にとってイスラエルは中東で存在してはいけない国家となっている。

しかも、シリア紛争が終結すればイランはヒズボラを伴ってイスラエルの打倒に全力を向けるようになると見られている。

また、シリアに居座るイスラム国はあと2か月で打倒されるとイラン革命防衛隊の最高指揮官ソレイマニ将軍が発言している。

シリア紛争が終結する前までにイスラエルは米国の力を借りてシリアにアサド政権の新たな敵を組織せばならないのである。イランとヒズボラによるイスラエルへの攻撃を分散させるためである。

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