議員の権能を行使でき、選良たる人を。

2017年10月21日 19:30

衆院選一色の、12日間でしたね。当選ファーストの国政政局に振り回され、地域住民も地方自治も地方議会も置き去りです。「多岐にわたる地域課題。政府・国政の動向を伺い翻弄されモタモタしている暇は一瞬もない!自由・自主・自立の精神のもと早急に“地域のことは地域が決める”足場を組みなおさねば!」と、前回の衆院解散日の2014年11月21日に、私は地域政党自由を守る会を立ち上げたのです。複雑な思いを抱えつつ、今回はどのような選挙にも関わっていないことから調査・議会活動に専念し、事務所撤退に伴う後処理に追われてましたところ、しまい込んでいた祖母から贈られた祖父の蔵書を発見しました。

『地方自治の話』前田多門

冒頭の「はしがき」に
「地方自治なんていふことは、日本では余り人気のある題目ではない、その癖一念緒経費から見ると、いまでは地方自治体の仕事の分量は、国全体のそれとひってきするやうになつた。」とあります。なにやら漱石の「坊ちゃん」の始まりのようです。前田多門氏は、後藤新平の秘書をやっていたということですから東京都を作り上げた創設メンバーだったのでしょう、全体にわたって軽妙な文体と的確な視座、簡潔な指摘にお人柄がしのばれます。

この本では当時選挙権のなかった「婦人公民権問題」については「自治体の最も力を注ぐ仕事はたいてい夫人とのその利害や苦労を共にして居るのである。」とし、その必要性を説いてます。祖父は、日本で初めての全盲(中途障がい)の地方議員(茨城県行方郡麻生町議会議員)でした。昭和5年(1925年)に地方自治を憂いていたとは、祖父とお姐のまさに地域を守る100年戦争であります。

カバーから取り出すと手製の装丁の紙に

「過去ノ因縁ハ現在ノ果トナリ現在の悪劫ハ未来ノ果トナル
障道ノ因縁恐ルベシ」
(お姐語約:過去にしてきたことが現在の結果となり、今している悪行は未来に形となって現れる。
言行不一致、利己主義、義や感謝のない行為がもたらす因縁は恐ろしいものだ)

と、祖父の一筆が遺ってました。祖父の政治家の後輩には、後にロッキード事件で有罪判決を受ける橋本登美三郎氏や、自民党額賀派会長額賀福四郎氏の父親がいました。祖父は、失明をしながらも地方議員を続け、貧しい農家や漁師の生活を憂いながら62歳で亡くなりました。このタイミングでこの言葉に出逢うとは、まさに因縁めいたものを感じます。

これから、再選される議員も初当選される議員もおいでだと思います。権力欲ではなく愛こそを原動力とし、惻隠の情を持ち、感謝を忘れぬ、何より自由を大切にし、そして議員としての権能を最大限に活かし、市井に慎ましく暮らす人々のために汗をかいて頂きたいと切に願うものであります。皆様の地元のそのような候補がいることを祈っております。

そんな思いでインタビューに応えたものを了承を得て、以下転記いたします。ぜひご一読ください。

議員の権能フル活用を都政新報10月13日付記事

9月20日の都民ファーストの会の総会時に文書質問や委員会・資料要求を禁止すると役員から言われ、スイッチが入った。

当然、資料要求は可能と考え、総会前の財政委員会で要求、それが政調会で問題となり、政調会長から「資料要求は与党だからしない」という話があった。私は「地方議会に与党も野党もないはず。」と反論したが、「第一会派なので職員から資料は、もらえる」という答えが返ってきた。

文書質問に対しては、「財政委所管外の各課題につき質問の機会を」と求めたが、政調会長には「質問を当該委員会部会に渡せば良い」と一蹴された。文書質問は個々の議員の問題意識に基づき、一般質問等に生かすことが可能で、都民ファがやろうとしていることは目的と違う。「古い都議会を新しく」と掲げているのに、議員の調査権を奪うこと自体が逆行している。会派内から変えようと提案しても「駄目」と突き返され、変えられなかった。会派に所属しているから、(中から変えていけばいいという意見もあるが、その)エネルギーは、即都民に還元できる調査活動などに使った方がいいと判断した。すぐに区切りをつけ、苦渋の選択である離党を決断するに至った。

質問を落とされたこともある。青木あすなろ建設が産業廃棄物を不法投棄して都から指名停止処分となり、第3回定例都議会で議案を取り下げたことに質疑の準備をしていたが、会派で「質疑はしない」ことが決まった。「与党だから」「都側が取り下げたからあげつらう必要はない」という理由であった。小池知事鳴り物入りの入札改革を進める中、自ら疑義を質すことこそが、最大会派の役割であり、都政の健全運営のために率先して議員の権能をしっかりと活用すべきなのではないか。

都民ファ新人議員のポテンシャルは高いのに、彼ら彼女らは「物言えば唇寒し」のように感じているように思う。議員の職責は職人のように、質問を練り上げること。新人の議員も、文書質問や資料要求を行わないことがあるべき議員像と思わず、適宜調査権も質問権も行使してほしい。

改選後の都民ファは抑制が増えて、大変苦しんだ。改選前、一般質問は当時の代表(現特別秘書、特別公務員)に渡し、馴染まぬ内容等「×」を付けられたが、資料要求も文書質問も行っていた。しかし、改選後は、都民や知事に良かれと思った会派運営が、結果的にブラックボックス議会の焼き直しになった。民進・自民出身役員の経験値で会派を運営しているので、今後もその仕組みを変えられるとは思えない。

知事との向き合い方は是々非々。私が昨年の知事選前に小池知事から「支援してほしい」と要請を受け、応援した。引き続き、東京大改革は進めていく。知事に直接訴えたい案件があれば、質疑等を通じて伝えていきたい。知事との関係性も期待も、全く変わらない。

【お姐総括!】
水を飲むときに井戸を掘った人を忘れない。絶対に忘れない!

この言葉は記者会見の時にも引用した大好きな、そして自分を戒める言葉です。
井戸を掘った人を裏切ったり、それどころか水も飲まさず後ろから斬り付け井戸に葬り去るような、そのような恐ろしいことが、ことに政治の世界では起こってはいけません。そんなことをすれば「障道の因縁」に陥ることになると、祖父の遺伝子が私のなかで叫んでおるのです。

☆お姐、江戸川区民から多数今回の投票行動の相談が来て大変だったな!国政はもうしょうがない、地方政治をまかせた!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、都議会会派「かがやけTokyo」、地域政党「自由を守る会」代表、
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

地域政党「自由を守る会」
地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)
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上田 令子
東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表

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