電波の「ホワイトスペース」からビジネスが生まれる

2017年10月27日 11:30

総選挙では自民・公明が圧勝したが、安倍政権の弱点は経済政策である。日銀の量的緩和は何の成果も出せず、規制改革も目立った前進がない。そんな中で、内閣府の規制改革推進会議では電波オークション(競売)の検討が始まり、私も参考人として説明した。

9月15日の本欄(「テレビ局はなぜ『電波オークション』を恐れるのか」)では、既存業者の持っている電波を買い上げる方式を提案したが、もっと簡単な方法がある。割り当てられたまま使われていない電波を区画整理することだ。これによって誰も損しないで、数兆円のビジネスが生み出せるのだ。

2兆円の新しいビジネスチャンス

オークションの課題は技術でも法律でもない。それはすでに日本以外のOECD諸国では実施され、民主党政権で電波法の改正案ができ、閣議決定までされたが、国会に提出されないで棚ざらしになっている。残った問題は、それに抵抗する人々を説得することだけだ。

ところがオークションを積極的に進めようという企業は少ない。オークションで売却する帯域がほとんど残っていないように見えるからだ。いま話題になっている5G(第5世代無線)は4ギガヘルツ以上のきわめて高い周波数を使うので、電波の届く距離が短く、膨大な無線局を配置しないと公衆無線には使えない。

この帯域だけに無線局を設置しても採算は取れないので、既存キャリア3社以外の新規参入はない。オークションしても、既存業者以外の応札者がないと意味がない。その目的は国庫収入を上げることではなく、競争を促進することだからである。

しかし割り当てが終わったように見えるが、空いている帯域がある。特にUHF帯(470~710メガヘルツ)では多くのチャンネルがテレビ局に割り当てられたまま使われていない。世界的にもこの用途は無線通信に変更され、アメリカでは今年6月に600メガヘルツ帯がオークションによって198億ドルで売却された。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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