青少年安心・安全ネット環境タスクフォース@霞が関。
総務省、内閣府、文科省+民間関係者。
主査を務めます。
これまで2度、この会議についてメモをしました。
「改めて、ネットの安心対策を。」
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2016/10/blog-post_31.html
「改めて、青少年ネット対策。」
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2017/03/blog-post_16.html
3回目。
今回は、昨年12月に報告を受けた4つのステイクホルダーの状況をアップデイトしました。
1.電気通信事業者協会TCAは、フィルタリングのサービス名とアイコンを共通化したほか、SNSが利用できる新モード「高校生プラス」を提供。
2. テレコムサービス協会はMVNO対応。
安心協と連携してフィルタリングの共通説明サイトを作ります。
総務省によれば、MVNOにもフィルタリング提供義務はかかっているが、54社のうち提供しているのは24社とのことです。
3. 全国携帯電話販売代理店協会(全携協)は全国8400店の64%に当たる5400店が「あんしんショップ」となり、フィルタリング運営を徹底。
FMMCと連携してeネットキャラバンの講師を200回派遣しているとのことです。
4. 安心ネットづくり促進協議会(安心協)は、使いすぎや不適切情報の対策など保護者向け啓発資料を策定しています。
これら民間の取組に対し、
「学校・教育委員会の参加が乏しい」(森委員)
「プログラミング教育が始まり子どもはもうヤバいソフトも作れる。ガイドラインが必要」(尾花委員)
という指摘がありました。
ぼくは「教育情報化が進む中、リテラシー教育や安全対策は別々の運動であったが、光と影は一つの運動として進めることが重要。教育情報化を進めるセクターと連携を深めよう」と提案しました。
岸原委員が「マストドン対策は」と指摘。
これは従来のフィルタリング対策では間に合わない新たな問題を提起するものかもしれません。
本TFも引き続き状況と対策をチェックしていくこととしました。
なお、前通常国会の終盤、「青少年インターネット環境整備法」改正案が可決されました。
端末メーカーにフィルタリングのプリインストールなどの措置を義務づけることと、AppleなどOS開発者にフィルタリングを容易にする努力義務を課すことが盛り込まれています。
改正法の施行により、青少年のネット対策も一段の高みに移ります。
関係者の一層の努力が求められます。
法施行時に作った民間側の体制も強化に向け見直す必要がありそうです。
みなさま、よろしく。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年11月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。