葛飾区議選一票差当選への「物言い」。選管の姿勢を問う。

上田 令子

ドラマ「民衆の敵」さながらの、自由を守る会大森ゆきこ葛飾区議、一票差当選の感動も冷めやらぬ11月21日、次点で落選した会田浩貞氏(77)が、区選挙管理委員会に大森葛飾区議(35)の当選無効を求める異議を申し立て、同日受理されました。この件についての大森葛飾区議による報告は葛飾ママblogをご一読ください。

奇しくもお姐は2度ほど、仲間の区議の一票差当落事案に関わっておりました。小柳まさや渋谷区議事案松丸まこと足立区議事案です。

小柳区議の場合は、明らかに「小柳」と読み取れる可能性の高い票が無効とされ結果くじ引きとなり当落が逆転してしまいました。その後、欠員が出て小柳さんは再び議席を得て、前回の統一地方選では、自民・公明推薦の村上英子候補を破った長谷部新区長を支え無事二期目堂々当選を果たしております。

この事案がありましたことから、私は東京都議会議員に初当選後、選挙管理委員会へこの件へ執拗に質疑を重ねておりました。再掲いたします。
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お姐「選挙争訟の公平性の担保についてもお伺いしたいと思います。
地方自治法では、選挙管理委員は人格が高潔で、政治及び選挙に関して公正な職権を有するとされています。歴代の委員構成は、委員会資料で拝見させていただきました。
つきましては、選挙争訟の審理における公平性の確保について、現状とお考えを伺います。」
(お姐超訳:あのね、議員OBがいるではないですか?!これで公平性なんて担保できるの?!また一票の差事件が起こったら、自分の政党の次点候補に肩入れするんじゃなかろうね?!)

選挙管理委員会事務局長「選挙管理委員会の委員の選任につきましては、地方自治法に規定されておりまして、東京都選挙管理委員会の委員につきましては、都議会の選挙により四人が選出されております。

地方自治法によりますと、四人の委員のうち、同一の政党その他の政治団体に所属する者が二人以上となることはできないと規定されております。また、委員自身や父母、配偶者、兄弟姉妹などに直接の利害関係のある事件に関する議事への参加はできないということとされております。

このようなことから、東京都選挙管理委員会の委員が行う区市町村選挙の審査申し立てに対する裁決や、都議会及び都知事選挙の異議申し出に対する決定などにおける公平性について、確保されているものと考えております。」
(お姐超訳:同一政党から二人は選べない…てことです、はい、いいんですこれでともかく担保できてるんですよ、えぇ関係ないけど親族関係のことも説明させて頂いてます、はい!だって議会で決めるんだから!あんたたちが選んでるんだから!)

お姐「歴代、元議員さんというような感じのことが続いているようでございますが、一応私ども議会で決めるんですが、できれば公募等、民間人も今後入っていただけるようになると、また、いろいろな視野が広がるのかなと個人的には思っているところでございます。
(お姐超訳:まず議員OBを推挙することをやめないとね。公募!公募!←どうやら委員会会場の執行部ではなく議員OBを送り出している政党議員に言っているらしい…)
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その後「選挙争訟における公正性確保について」文書質問も行い東京都選管が「忖度」をした行動を起こさないよう楔をさしておいたなかで、足立区議会議員選挙の一票差事案が発生したのであります。再集計しその投票用紙すらも公表した足立区選挙管理委員会は「平成27年5月17日執行足立区議会議員選挙における当選の効力に関する異議の申出に対する決定について」の文書で理由を明記し異議申し立てを「棄却」しております。

このような実績がありますことから、チーム大森ゆきこ公職選挙法対策班において、仲間のみならず、我が自由を守る会候補ですから、一票差当選が判明した瞬間から最悪の事態に備えておりました。まず、事前に、都選管から「選挙争訟の流れ」ペーパーを入手。葛飾区選挙管理委員のメンバーを見ると委員長は元自民党区議、会田氏も6期自民党で区議を務めてきました。葛飾区選管には、あってはならぬ「大森票」の抜き取り・改ざん防止を徹底し、釘を刺すため「開票済み投票用紙は封印されて適正に保管・管理されているか」確認をし、再集計となった場合の立会人をどうするか想定してもいました。

葛飾区選挙管理委員会におかれても、渋谷区のようないかにも、自民党に有利と疑われるような動きがないよう、足立区のように事実に即して冷静かつ公平公正公明な対処をしていただくべく、かつて、行政への異議申し立ての草分け江戸川ワークマム仲間と保育園入園不承諾に対して力と知恵を併せて文書作成してきたように、チームプレーで作った以下請願書を即日大森ゆきこ葛飾区議は区選管へ提出した次第。

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2017(平成29)年11月24日
葛飾区選挙管理委員会 御中
葛飾区議会議員選挙への異議の申出に対し棄却の決定を求める請願書

請願者氏名  大森 有希子
請願者住所  東京都葛飾区宝町一丁目2番29号

葛飾区選挙管理委員各位におかれましては、公正な選挙事務の執行のため、日夜、研鑚を積まれておられますことに、敬意を表します。
さて、日本国憲法第16条及び請願法(昭和二十二年法律第十三号)第3条に基づき、以下の事項を貴委員会に請願いたします。本請願書の写しを全委員に配付の上、同法第5条に基づき、受理の上、誠実な処理をしていただきますよう、お願い申し上げます。
なお、憲法第16条後段には「何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」、請願法第6条には、「何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」とあることを申し添えておきます。

一 請願事項
(1)本年11月12日執行の葛飾区議会議員選挙(以下、「本件選挙」という。)に対する異議の申出(以下、「本件異議の申出」という。)について、公正な審査の上、速やかに棄却・却下の決定をすること。
(2)本件異議の申出の審査にあたり、投票の再点検を行うときには、事前に請願者に告知し、請願者が指定する者を立会人とすること。
(3)本件異議の申出の審査を行う選挙管理委員会を開催するにあたっては、直接の利害関係人に傍聴の機会を保障すること。
(4)本件異議の申出の審査及び本請願書の処理にあたっては、請願者及び請願者が指定する者に、必要に応じて意見を求めること。

二 請願理由
本件請願者 大森有希子(届出名「大森ゆきこ」)は、本件選挙において、2176票を得票し、貴委員会より当選者として告示されました。これに対し、次点者との得票差が1票差であったことから、本件異議の申出がなされたものと聞き及ぶに至り、区議会議員の身分の得失という、直接、重大な利害を有する者として、本件異議の申出の取り扱いにつき、意見を述べ、審査への参加の機会の保障を求めるとともに、棄却・却下を求めるべく、本請願書を提出いたします。

まず、主位的請願事項として、請願事項(1)につき、申し述べます。
本件選挙は、本年11月5日に告示され、請願者ら59名が立候補の届出を受理され、同月12日に投票、翌13日に全票開披により開票が行われ、午後1時23分に確定し、40名の当選者が告示されました。
請願者は、本件選挙の結果に異議は無く、全面的に受け入れるものです。
ところが、本件異議の申出がされたため、貴委員会に対し、請願法に基づく請願として、意見を申し述べるものです。
次点者である、會田浩貞(届出名「会田ひろさだ」)候補は、2175票を得ております。請願者は、開票作業は、公正かつ適正に行われており、既に確定しており、投票の再点検を行う必要は無く、速やかに棄却・却下すべきものと思料いたします。

もし、本件異議の申出が適法になされたものとしても、「大森ゆきこ」又は「大森有希子」と2文字以上、字句が重複するものは「出口よしゆき」候補のみです。請願者と出口候補とは、性別・所属党派とも異なることから、社会観念上、請願者の得票に混在することは考えられません。最も字句の重複割合が高い候補者について検討しても、混在は考えられないことから、他候補との混在はさらに一層考えられません。また、「大森ゆきこ」については、文部科学省の学習指導要領に基づけば全て小学校一年次に学習する平易な文字ですので、無効票が混在する蓋然性は極めて低く、いずれの場合においても、2176票が減じられることは考えられません。

次に、會田浩貞候補についてです。「會田浩貞」又は「会田ひろさだ」と2文字以上、字句が重複する候補者名は無く、読み仮名が2音重複するものとして、「ひろ」の読み方ができる音か含まれる「くぼ洋子」候補と「しばはし宏子」候補の2名がありますが、会田候補とこれら2名とは、性別・所属党派とも異なることから、社会観念上、請願者の得票に混在することは考えられません。最も読み仮名の重複割合が高い候補者について検討しても、混在は考えられないことから、他候補との混在はさらに一層考えられません。

よって、投票の再点検を行ったとしても、請願者と会田候補をはじめ他候補との得票差が、当落の結果に影響する限りにおいて変動する余地は無く、投票の再点検を行うまでもなく、棄却の決定を速やかに下して、選挙の結果に明白な法的安定性を確保すべきであると主張するものです。

次に、予備的請願事項として、請願事項(2)乃至(4)につき、申し述べます。
請願者は、上に述べたとおり、投票の再点検を行うまでもなく、本件異議の申出の棄却・却下の決定をすべきものと主張いたしますが、仮に再点検が行われるときには、請願事項(2)乃至(4)に示す方法により、審査への参加の機会の保障を求めるものです。
投票の再点検への異議申出人等の立会いについては、行政不服審査法第29条の規定に準じるかは、当該選挙管理委員会の判断に委ねられているとされていますが、請願者は、審査の結果に区議会議員の身分の得失という重大な利害を有しております。
よって、投票の再集計に際して、もし行われるときには、請願者の意見を反映するとともに、本件争訟が発展したときの防御に備えられるよう、日時・場所を事前に請願者に告知し、請願者が指定する者を立会人とするよう、求めるものです。
同様の理由から、本件異議の申出の審査にかかる委員会の傍聴者について、従前の先着順5名に限らず、傍聴者数を増やして、請願者や関係人の傍聴の機会を保障すべきと、思料いたします。

最後に、必要に応じ、追加して意見書や証拠類を、貴委員会に提出することがあることを、留保いたします。
葛飾区政のさらなる発展と貴委員会の名誉をかけて、公正な決定を重ねてお願い申し上げます。

以上

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【お姐総括!】
請願書を提出した、11月24日…その日は「上田令子都政報告会」でした。

精神的には落ち着かないであろう状況の中、大森葛飾区議は、司会の大役を気丈に務めてくださいました。そこに私は、比類のない資質を見出した次第です。9人となった自由を守る会現職区議・市議と、力を合わせて支えていきたいと思います。
さて…

“立つ鳥跡を濁さず”

という、ことわざがあります。
また、

“急流勇退”

という故事もあります。

夫に先立たれた35歳のシングルマザーという後進に、政治を委ねることで、その見果てぬ夢を叶えることもできるのではないでしょうか。
そして、大森ゆきこ葛飾区議はその無念な思いも受けてしっかりと議会活動をする人材なのであります。

追伸:お姐節炸裂!真相を語った報告会満員御礼ありがとうございました!
いつも変わらず支援して下さるしがらみのない皆様、静かに見ている有権者のお陰様で今があります。組織や利益誘導でつながってない、かけがえのない純粋なご期待は、慢心したり驕り高ぶれば、瞬時にその信頼を失うことになります。引き継ぎ気を引き締めてまいります。

☆お姐、一票の重みとありがたみ、そして仲間を守ってこその自由を守る会!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、都議会会派「かがやけTokyo」、地域政党「自由を守る会」代表、
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

地域政党「自由を守る会」
地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)
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