英女王のアイルランド訪問と天皇訪韓の可能性

2018年01月10日 11:30

天皇陛下とエリザベス女王(Wikipedia:編集部)

アイルランド大統領が、初めてイギリスを公式訪問したのは2014年のことだ。1922年に自治が認められてから92年目のことである(正式独立は1937年)。2011年のエリザベス女王のアイルランド訪問に続くこの訪問で両国は、歴史的和解の一つの段階を迎えた。アイルランド大統領はアイルランド人兵士も多く祀られているウェストミンスター寺院の無名戦士の墓に詣でたが、これは、韓国大統領が靖国神社に参拝することに匹敵する。また、アイルランド共和国軍に殺されたエジンバラ公の叔父マウントバッテン卿にも敬意を表した。

アイルランドとイギリスの関係は韓国と日本の関係に非常に似ていると、戦犯として処刑された洪思翊中将も指摘していた。韓国は日本の植民地だったかどうかの議論があるが、言葉の遊びをしても仕方がないのであって、インドがイギリスの植民地だったというのと同じ意味の植民地でなく、イギリスとアイルランドの関係のようなものというのが正しい。

つまり、対等の併合である形ではあるが、実質的には一方による支配という色彩が強いという意味だ。だから、韓国が日本の植民地だったかと聞かれれば、アイルランドがイギリスの植民地だったというのと同じ意味でならそうだと私は答えている。そして、アイルランドがイギリスの植民地だったとは普通はいわないが、映画のなかのせりふで、「アイルランドはイギリスにとって最初の植民地だった」というのがあったとかまれな使用例があるようだ。

そのアイルランドとイギリスが和解するのに92年もかかったのである。そういう意味では、日韓双方とも、歴史認識の共通化だ、和解だということは徐々に進めるべきだが、ことを焦ろうとしないほうがよさそうだ。

天皇訪韓はいずれはと思うが機が熟していない。慌てて功を焦る必要はない。陛下が韓国人に喜ばれてもそれが日韓の友好や日本の国益に繋がらねば意味がない。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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