森友学園問題から見える憂い事

2018年04月02日 22:30

首相官邸サイトより

森友問題、現在、安倍首相の関与の有無、財務省の文書改竄等の責任問題が、国会等で追及されています。今までの経緯や関係者の発言等を聞いていると、国民や野党が求めるような全容解明ということにはならないような気がします。新たな物的証拠や新たな証言がない限り、何か問題があるものの政治的責任、法的な責任は追及されないまま終わるような気がします。安倍首相は、関与を全面的に否定し、財務省からの証言ではどうにもならないような気がします。

しかしながら、全容解明は無理だとしても、現在分かっていることだけでも、この問題は国としてのシステム上の問題点があるように思えてなりません。

では、その問題点とは何か、2つの方向性から考えます。まずは、財務省側、行政のあり方の問題です。

元々、森友問題は、国有地の払い下げ価格にあります。対象の土地の地下にあるごみ処理費を売却価格から差し引いて売却価格としていますが、このごみ処理費が適正であったのかどうか。恣意的に価格を下げたのではないかが問題の起点です。このごみ処理費、値引き額算定が適正であったかどうか、そのことに対するチェック機能、確認システムが不十分であるように思います。

会計検査院による事後調査は行われ、「慎重な調査検討を欠いていた」との報告が国会にされているようですが、結果的には不十分なチェック機能と云わざるえません。例えば、上場企業であれば、財産処分等に対して、会計士が適正な価格、取引であったかと確認し、更に税務調査で税務的に適正であるかが確認されます。つまり、相対する2つの方向からその適正を問うシステムになっています。

もし、財務省に対して民間企業と同様なチャック機能があったなら、もう少し真っ当な取引が行われたのではないでしょうか。会計監査、税務調査もともに事後調査ですので、取引時点ではありませんが、通常、取引の適正を確認するために、その時点の資料を確認するだけではなく、結果についても確認します。つまり、ごみ処理費が実際に算定通りに支払われたかどうかも確認します。よって、企業では無理な取引ができないようになっています。

なぜ、このようなチェック機能が行政でなされないのか。これこそが大きな問題のように思います。文書改竄については、今後同様なことがないように法整備等の対策が検討されていますが、行政に対するチェック機能に対しても対策が必要に思います。

次に安倍首相側の問題です。安倍首相は自らまたは自身の周辺側からの関与を否定し、財務省側の忖度も知らないこととしています。妻である昭恵氏が学園の役職については知るものの、学園土地の取引については関知していないということです。一方、籠池氏の発言や財務省の資料などからは、籠池氏が取引を自己に有利になるように首相との関係を示唆しています。つまり、もし、首相自身の関与がないならば、首相は籠池氏に利用されたということなのでしょうか。現在、分かっていることを総合すれば、その可能性も十分にあると思います。

しかしながら、日本国の首相が自身の支持者という人物に「自分の名前を利用された」で済まされるのでしょうか。利用された側、騙された側が悪いとは云いませんが、一国の長としての資質という意味では如何なものかと思えてしまいます。国際政治の舞台を考えると、この程度の状況で利用されるのでは、諸外国のリーダーたちと真っ当な交渉ができるとは思えませんし、同時に信頼を得ることができるとは思えません。そう考えると至極残念に感じます。

また、安倍首相の答弁では、不透明な土地取引に対しての自身の関与はなく、籠池氏や財務省が勝手にしたことで、自身には疚しい点はないということのようですが、国民からみれば、まるで不倫疑惑の政治家の答弁の「一線は超えていません」と同様に聞こえます。これまた至極残念な感が否めません。

永田町、霞ヶ関、共に独自の理屈で物事を判断し、進めているように思えます。日本の将来を考えるなら、今回のような疑惑や事件を起こさないような、第3者のチェック機能やカウンターパートのあるシステムを真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

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