平凡な薬剤師の給与が高いと思われるのは、親の先行投資である --- 鈴木 智詞

2018年04月17日 06:00

そんじょそこいらの薬剤師の年収が、大した仕事をしていないのに高い、といった意見は、ネットだけではなく、僕は人から面と向かって言われた事がある。

今回は、薬剤師はスキルの低い職業だ、などの個々人の捉え方は置いといて、どうして薬剤師は高給取りだと世間で勘違いされるかに触れたいと思う。

例えばこのような話をすれば、薬剤師が高給取りだとの偏見を持つ人たちは納得できるだろうか。

大学教授は学長に成らなくとも、その平均年収は1000万円を超える。が、しかし、同じく学生の教育者である教師は、学校長にならないと年収1000万円にはならない。

この差は、子どもが被害者の民事裁判で、子どもが親の職業を継ぐことを前提に、損害賠償額が裁判長によって結審される事実と同じ要領である。

大学教授は子どもを博士課程まで修了させないと、大学教員にはまずなれない。だが、教師は大学の教職課程で教員免許を取得すれば、学士で教師になれる。

このような親の職業を継ぐことを前置きとなる条件として、大学教員と教師に給与格差が起きている。

同じく、日本を守る自衛官より警察官のほうが給与が高い現実を鑑みてみよう。

自衛官には、お金が無くて高校へ行けない子どもの為にある、少年工科学校がある(自衛官としての階級は三士)。また、同じように学費が要らない、幹部自衛官育成の防衛大学校がある。子どもが警察官になるより、自衛官にさせるための親の先行投資は、かなり安く済む。よって、警察官のほうが平均年収が高い。

これらを踏まえて、子どもを6年制薬学部をストレートで卒業させるには、私大の薬学部では2000万円未満の学費を費やす。しかしながら、薬剤師の平均年収は500万円程度であり、親の子どもへの先行投資では赤字である。

薬剤師が高給取りな都市伝説は、世間一般の職業についての先行投資分を踏まえた平均年収を大きく下回り、ダウトである。

むしろ、僕は薬剤師の年収アップを社会へ訴えたいくらいだ。現状の薬剤師が得る給与は、世間水準を大きく下回っている。

鈴木 智詞
中小の調剤薬局、大手ドラッグストア、急性期病院での薬剤師を経て、現在は調剤薬局の店長をしている。

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