宮内庁の週刊誌自粛要請で逆にわかる小室問題の泥沼

2018年05月27日 06:01

宮内庁サイトより:編集部

宮内庁が「眞子内親王殿下に関する最近の週刊誌報道について」という文書を出したが、これがひどくお粗末である。また、もしここで書かれた内容が本当なら皇室はまさに機能不全で危機的状況にあるといわざるをえない。

それによると、両陛下は

「極力周囲の雑音から眞子さまを守り,静かな状況を保つ中で,眞子さまがご自分の考えを深められるよう助力なさる」

にとどめるという考え方であり、

「宮内庁長官,次長を始めとする宮内庁幹部,側近である侍従長,女官長や侍従職の誰一人として,このことに関して両陛下のご感想を伺ったり,状況についてお尋ねを受けたことはありません。平素,両陛下のご相談に与あずかる参与,御用掛においても全く同様であります」

というのである。

そして、

「宮内庁職員はもとより,ご親族,ご友人,ご進講者等で,両陛下にこの問題について話題にするような人もこれまで皆無であったと伺っています」

というのである。

これが本当だとすれば、両陛下も、誰もが腫れ物に触るように話題として触れないので、悶々と悩んでおられるのでないかと心配だ。

しかし、もしそうなら、宮内庁長官など幹部は、このような皇室の将来を危うくしかねない重大事について、両陛下に情報をお伝えし、必要に応じて行動したり、両陛下のご意見を関係者にお伝えするのが仕事ではないのか。

皇族の方々は、一般人に比べても、世間知らずである。たとえ、両陛下や皇族が話題にされなくとも、場合によっては避けられているとしても、お耳に入れ、助言するのが仕事だと私は思う。沈黙してしまうのは、職務怠慢だ。

さらに週刊誌報道についていえば、私の知る限りでもその姿勢はきわめて慎重である。また、両陛下など皇族方がお気持ちを私的に話されたものは、本当のものも世の中でかなり流通しているし、それを相当慎重に裏をとって報道されているし、また、断定することのないように配慮されているように思う。

もちろん、政治向きのことになると、皇室の政治利用になるので、避けるべきだというのは別の問題だ。ヨーロッパでの規範意識からすれば、もし、皇族が政治的な発言をされたり政治家の好き嫌いを話されたとしたら、それは批判的に報道されるべきで、一部の週刊誌のように、それを肯定的に流すなどもってのほかであるが。それは別の問題だ。

週刊誌が陛下が憲法改正にどのようなお考え方をお持ちかとか、どの政治家を批判されているとか言う報道こそ、宮内庁は厳しく抗議すべきだが何もしてないのは職務怠慢だ。

皇族は世襲によって継承されるのであるから、その私生活が公的な関心の対象になるのは正当であるという以上に必要なことである。

また、間違った報道はそのつど反論すれば良いし、場合によっては訴訟をすればよいことである。また、宮内庁が適切な情報提供をしないから、憶測が乱れ飛ぶことも多い。そのあたりを上手にやることが、宮内庁の仕事でないか。

もちろん、報道するなといって押し通せば楽だろうが、それでは日本大学広報部とそれこそ同じだ。

それから、発表文では『皇后さま』という表現があるが、皇后陛下ではないのか。公式文書としては奇異だ。

誤解だらけの皇位継承の真実 (イースト新書)
八幡和郎
イースト・プレス
2018-04-08

(以下、宮内庁発表文)

眞子内親王殿下に関する最近の週刊誌報道について

平成30年5月25日

宮内庁

眞子内親王殿下の納采の儀を始めとするご結婚関係儀式等の延期が発表されて以来,このことに関する両陛下,取り分け皇后さまのお考え,ご対応について様々な憶測がなされ,記事にされてきましたが,このことに関し,両陛下は当初より一貫して変わらぬ対応をしてこられました。

両陛下が第一に考えられたことは,これは眞子さまの内心に触れる事柄であり,何人といえども,恐らくはご両親殿下でさえ眞子さまのお考えを待つ以外おありでないということでした。そうした中,ご自分方として出来ることは,極力周囲の雑音から眞子さまを守り,静かな状況を保つ中で,眞子さまがご自分の考えを深められるよう助力なさるということでした。

そのため,これまで両陛下は共に首尾一貫このことに関し一切発言を慎まれてこられました。事実,宮内庁長官,次長を始めとする宮内庁幹部,側近である侍従長,女官長や侍従職の誰一人として,このことに関して両陛下のご感想を伺ったり,状況についてお尋ねを受けたことはありません。平素,両陛下のご相談に与あずかる参与,御用掛においても全く同様であります。

一部の週刊誌は,「侍従職関係者」,「宮内庁幹部」,「宮内庁関係者」等のコメントとして,皇后さまが様々な発言をなさっているかのように記していますが,先にも述べたとおり,両陛下は,当初より,細心の注意を払って固く沈黙を守り続けておられ,また,宮内庁職員はもとより,ご親族,ご友人,ご進講者等で,両陛下にこの問題について話題にするような人もこれまで皆無であったと伺っています。

かつて,皇居内のゴルフ場であった場所に両陛下の御所建設が計画された際,昭和天皇が愛された自然林を皇后さまが丸坊主にした等の報道がなされ,前後数ヶ月に及ぶ謂われない批判記事の連続により,皇后さまは何ヶ月も声を失われる事態に陥られました。因みに,新御所の建設場所は,当時の宮内庁長官の報告と進言を陛下がお受け入れになり,最終的に決定されたもので,皇后さまはこのご報告や決定の場に一度も同席しておられず,新御所の予定地についてお聞きになったことも,まして御覧になったこともありませんでした。

今また,皇后さまは,ご自分の名のもとに,両陛下としてあれ程までにお守りになろうとされた眞子さまや秋篠宮両殿下の周辺で,静かな熟考のために保たれるべき環境に思いも寄らない様々な雑音が立てられていることを驚き,悲しんでおられ,陛下もまたそのことに深くお心を痛めておられます。皇后さまは,これまでもご家族のどなたかが苦しい状況におありの時は必ず,それは家族全体の苦しみだからと言われ,心配しつつ見守ってこられました。

この度,早くより,眞子さまや秋篠宮両殿下,お相手の方に静かに考える環境を与えることを最重要と判断され,沈黙に徹してこられた両陛下のお考えが無にされたことは余りにも残念であり,宮内庁として,この問題に関するこれまでの両陛下のお考えとご対応をお伝えすることに致します。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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