「皇族には一般人と違い姓がない」というのは嘘だった

2018年06月20日 06:00

宮内庁サイトより:編集部

夫婦別姓とかいう議論がある。しかし、法律で「姓」という言葉はそもそも使われていない。すべての法令の条文をしっかり精査はしてないが、「氏」であって、姓とか名字(苗字)というのは、私は見たことない(皆無かは自信ないのであったら教えて欲しい)。

だから、夫婦別姓などといういい方自体が、そもそも、おかしいのである。また、皇族には一般国民と違って姓がないというのも同様におかしい。

法律上、日本人の名前は「氏」と「名」からなる。それが決まったのは、明治6年(1873年)に戸籍法ができたからで、それにしたがって、壬申戸籍が編纂され、そこで庶民も氏を名乗ることになり、公式の文書でも使われるようになった。

それまでは、新政府でも、越智宿禰博文とか菅原朝臣重信、藤原朝臣利通としていたようだ。つまり、越智、菅原、藤原が姓だった。

姓は律令制のもとで朝廷から与えられたもので、無位無冠だと与えられる機会もなかった。そのほか、多くの人が名字をもっていた。だいたいは、田中とか小川とか家の周辺の様子だったり、三条とか近衛とか住所からとった。名字から地名が生じたことは希である。ほかに、官職などにもとづくものがあり、佐藤さんは藤原秀郷の子孫が左衛門尉だったことに由来する。

徳川家康の場合だと、徳川が名字だが、朝廷から官位をもらうときは、源朝臣家康であって源朝臣德川家康ですらない。

そうすると、皇族の場合はなぜ姓がなかったかといえば、自分で自分たちに与えるわけに行かなかったからである。それなら、「氏がない」という意味はどういうことかといえば、「戸籍法の適用を受けないので戸籍法上の氏がない」だけである。

それなら、名字はないのかといえば、私はあると考えている。秋篠宮眞子さまの秋篠宮はまごうことなく名字ではないか。天皇と皇太子の家族にはないのかといえば、敬宮愛子さまの「敬宮」も名字である。学校でも敬宮が氏と同様の性格のものとして扱われている。ただ、戸籍法上の氏でないだけである。

姓はどうかといえば、現代では法律上は消滅しているのである。

ただ、両陛下と皇太子ご夫妻については、微妙だ。仮に天皇陛下や皇太子殿下が学校に行かれたらどう呼ぶのだろうか。もし、小泉内閣の女系女帝を認める皇室典範改正が実現していたら、愛子さまは、陛下の退位ののちには皇太子になておられたはずだが、その場合、引き続き敬宮を使われたのであろうか?

あるいは、皇太孫が結婚したら相手はどう呼ばれるのか?分からない。

ちなみに、秋篠宮とか三笠宮といった宮家はむかしからあったのかといえば、できたのは、鎌倉末期のことであって、そのことは、『誤解だらけの皇位継承の真実』(イースト新書)でも詳しく説明している。

大覚寺統と持明院統が交代で天皇になっていたのだが、こんどは、両統それぞれのなかで兄弟の争いが始まった。そこで困って、世襲宮家が登場したのである。

誤解だらけの皇位継承の真実 (イースト新書)
八幡和郎
イースト・プレス
2018-04-08
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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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