Facebookで中国を支那と書いたらアカウント停止が続出?

2018年08月12日 12:00

Facebookでは、漢字で「支那」と書いた投稿を片っ端から削除し、アカウント停止をしているのではないかという指摘があって、私も面倒なのでFacebookでは使わないようにしている。

アカウント停止については、規約違反というのみで、どんな表現がヘイトであるとか教えてくれないので、確たるものではないが、「支那」以外にはなさそうだということが情報交換で指摘されている。といっても、「支那」と書いてまた停止されては困るので、「チャイナの漢字表記」とかいう形にしている。

これに限らず、中国についての批判が削除やアカウント停止の理由になるとすれば、中国政府の意を受けての言論統制というべきもので深刻な人権侵害だ。

中国では、それぞれの王朝の名前をとって「清国」などと自称してきましたが、地理的名称としては、インド人が「チーナスタン」「チーナ」と呼んでいたことから中国人も「支那」や「震旦」と書いたりしてきた。

チーナスタンの語源は諸説ありますが、「秦」である可能性が強いと解されています。これが、英語のチャイナなどの言葉につながり、日本でも中国の文献に支那とあるので、インドを天竺とか印度というようになったのと軌を一にして支那という言葉が普及し、明治になってより一般的になった。

そして、清朝が倒れたあと、王朝がかわるごとに名前が変わっても困るというので、日本では大支那共和国と呼んでいた。ところが、1930年の中華民国中央政治会議の決議に基づき、英語ではナショナル・リパブリック・オブ・チャイナと書いているのに、日本政府は「中華民国」と公式文書に書くようにした。中国語でチャイナは良くて支那は駄目というのは、まことに変なことで“善隣外交”ではあったが、欧米諸国に対する主張とダブルスタンダードを認めたことは、日本の好意を中国側が正当に評価するより、図に乗せただけではないかという疑いもある。

しかも、それは国家の名前であって、地理的な名称として使われたのでないし、略して中国といったのでもない。そして、終戦後に連合国の一員としての中華民国から支那という名を使わないように指示があって、マスコミなどはそれに従っていまにいたっている。

それでも、昭和30年代までは料理でも支那料理のほうが一般的だったが、北京政府との国交を望む主張の強まりと軌を一にして「中国」や「日中」といった表現が一般化しました。

「支那といっても抗議される由縁はないはずだが、あえて相手の嫌がる呼称を使うこともない。それが大人の対応だ」というのが私の意見で、それは、Wikipediaにも掲載されて広く支持されているが、支那という言葉のどこにも侮蔑的なニュアンスはなく、中国自身もチャイナという呼び名を容認している以上は、個人の好みで支那と呼んでもいけないともいえないし、差別用語のように扱うべきものではない。

ところが、Facebookでは、漢字で支那と書いた投稿を片っ端から削除し、アカウント停止をしている疑いが各所で指摘されている。中国政府から排除されているFacebookが参入を実現するために、中国政府の意に沿う形で日本で言論統制をしているとすれば容認できない。


少なくとも、Facebookなどは、アカウント停止をする場合には、どの表現がまずいのか、具体的な基準を明らかにすべきだし、個別的にも指摘し、反論の機会を与えるべきだ。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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