新日本プロレス 日大出身矢野通選手よ、悪質タックルをネタにするな

常見 陽平

私はプロレス者である。幼い頃からプロレスが大好きな人材だった。人生とはプロレスのようなものだと思っている。ロープに振られたら戻ってくるし、何度も技を受けても立ち上がる。5カウント以内の反則という理不尽には屈しないが。

そんなプロレスで、波紋を呼びそうな事件が起こった。日大出身の矢野通選手が、「悪質タックル」という技を使っているのだ。

日大出身・矢野通、“悪質タックル”で初勝利「日大精神を忘れてないんだ」 : スポーツ報知 

矢野通選手(Wikipedia:編集部)

ここでいう日大精神とは何だろう。笑止千万の妄言である。

いや、悪質タックルするのが日大精神だというのなら、それも構わない。しかし、この技で関学関係者含め、どれだけの人が嫌な想いをしているのか想像したことはあるのだろうか。

もちろん、プロレス的ないかがわしさだとして、面白がる者もいるだろうが。

日大やアメフトをネタにしただけではなく、この技は新日本プロレスのレスラーとして不謹慎である。同団体では、試合中に怪我をし中心性頸髄損傷だと診断された本間朋晃選手が470日以上にわたる欠場から復帰したばかりだ。柴田勝頼選手も試合後に倒れ、事実上、現役復帰が厳しい状態になっている。あれだけの体格で、トレーニングをしていてもプロレスは怪我をするのである。

今日は同団体夏の大一番、G1クライマックスの決勝戦だ。棚橋弘至対飯伏幸太。最高のカードである。

社会的批判を受けないためにも、プロレスをより広げるためにも、不謹慎な技は控えて頂きたい。そして、矢野通選手は自分がレスラーとしてどう生存するかも考えてほしい。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年8月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。