自民党総裁選、国民民主党代表選、それぞれの「争点」

2018年08月14日 06:00

自民党の総裁選で憲法改正の発議は、党員の投票行動を左右するほどの争点になり得るか

安倍総理は、憲法改正の発議に漕ぎ着けることが自分に課せられた使命だと自負されているようである。

衆参両院の憲法審査会で殆ど議論もされておらず、野党の方からまったく憲法改正の提案もなされていないという現在の状況ではちょっと無理じゃないかな、と思うが、総裁選の結果次第では安倍総理が高唱する方向に一気に事態が進むことは十分考えられる。

安倍総理が昨年から言及されている憲法改正案は、自民党の中で長らく憲法改正作業に関わってきたいわゆる憲法族からすれば憲法改正案とは言えない程度の代物だろうと思うが、憲法改正に慎重な大方の国民の抵抗を最小限にするために工夫された相当に周到な憲法改正案だ、ぐらいの評価はしていいのかも知れない。

憲法に自衛隊を明記しても実態は今と何も変わらない、徴兵制を実施することもないし、日本が軍事国家になるわけでもない、何も変わらない、ただ、自衛隊という文言を憲法に書き込むだけだ、などと繰り返して言われれば、国民は半信半疑で、そうかなあ、ということになってしまうかも知れない。

議論を尽くさないでどんどん重要なことを決めてしまっているのが最近の永田町なので、憲法改正の発議も今の内にやってしまえ、ということになってしまうのだろう。

安倍総理が再三言及している憲法改正案は、野党の反対を見越しての妥協的な憲法改正案である。

まあ、この程度の憲法改正なら無理にやらなくてもいいんじゃないか、とかつての自民党の憲法族なら一言ありそうなものだが、最近の自民党にはそこまで憲法に造詣が深く、かつ一家言がある人は少ないようである。
石破さんは、そういう曖昧なことが嫌いなタイプだからあえて安倍憲法改正案に異議を唱えるが、大方の自民党の国会議員は、自分の口に蓋をして何も言わない。

多分、そういう結果になるのだと思う。

私は、野党転落時代に自民党が纏めた憲法改正草案に反対の立場なので、石破さんの憲法改正論議にはとてもついていけないのだが、だからと言って安倍総理の憲法改正案に賛成するわけではない。

もっと議論が熟し、国民の間で憲法改正の機運が高まった時に、改めて検討されたら如何、というのが私の基本的なスタンスである。

安倍総理は妙に力瘤を入れておられるが、どうも今回の自民党の総裁選の帰趨を決定づけるほどの重要な争点ではないな、というのが私の現時点での率直な感想である。

国民民主党の代表選の争点は、野党共闘路線の強化か、それとも「対決よりも解決」路線の追求か

うっかりすると自民党の総裁選に埋没しかねないので、国民民主党の代表選にも言及しておく。

私は、共産党を含めての野党共闘路線を追求していくと、結局は立憲民主党との違いがなくなってしまい、国民民主党の存立基盤が失われてしまうだろうと思っているので、玉木さんが掲げている「対決よりも解決」「対決もするが解決もする」という「対決と解決の共存路線」を支持している。

津村啓介氏が国民民主党の代表選に名乗りを上げたこと自体は、評価する。
残念ながらメディアは殆ど無視するだろうが、めげないことだ。
どうやったら国民民主党に対する国民の期待値を上げていくか、ということに大いに知恵を絞っていただきたい。

民主党時代の失敗を繰り返さないようにするために、国民民主党は何をなすべきか、ということを具体的に考え、国民に訴えていただきたい。

かつての民主党にいた方々は、何の反省も、何の総括もしないで漫然と今日を迎えているように思えてならない。

新しいことを何も始めていないのでは、何も変わらない。
玉木さんは、如何にもゼロからのスタートだとうことを意識している節がある。

永田町のユーチューバーになる、というのは間違いなく新しいコンセプトである。
津村さんは何を始めるか、ということに注目している。

野党共闘路線の強化、だけ言っていると、何だ民主党の復活を目指しているだけじゃないか、それじゃあ選挙互助会になっておしまいだ、ということになりかねない。

新機軸を、是非打ち出していただきたい。

民主党の再現だけは、御免蒙りたい。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年8月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。

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