いま話題、すごい納豆、酢納豆!医師と管理栄養士に聞く?

尾藤 克之

写真は平松医師、『名医のTHE太鼓判!』(TBS)より

昨年投稿した「管理栄養士に聞く!お酢をかけると納豆菌は死滅する?」のアクセスが堅調である。すぐにその理由は判明した。2018年8月13日放映、「目の健康寿命を延ばして老眼・白内障・緑内障に負けるなSP」『名医のTHE太鼓判!』(TBS)のなかで、急増する老眼の進行を止める「最強食材」として「お酢納豆」が紹介されていたのである。

「お酢納豆」の効果について

『名医のTHE太鼓判!』は、芸能人の私生活に密着し、日々の生活習慣や「体に良い」と信じてやっている健康法を医師団が「太鼓判」もしくは「ダメ」でジャッジする番組。家族で楽しめる医療ウォッチングバラエティとして人気がある。

今回は、番組冒頭で、鳥取大学の玉井嗣彦医師(名誉教授)が、疲れ目や老眼の患者さんにお酢納豆をすすめてよく見えるようになったエピソードを紹介している。

ある日、来院した82歳男性の視力は0.01だった。病名は網膜血管閉塞症。高血圧、コレステロール、生活習慣病により、目の血管に血栓ができて、やがて出血を引き起こす。50歳以上、高血圧、2型糖尿病の人に多いのが特徴。お酢納豆を食べて2ヶ月後には、最終的に1.5の視力改善効果が見られたというもの。

さらに、視野欠損の症状がある21歳の女性は、お酢納豆を昼夜50gずつ食べて8日で回復。視力0.7の58歳男性は、お酢納豆を夜1日100gずつ食べて2ヶ月には1.2の視力改善効果が見られた。いずれも投薬治療はない。

ここで、眼科医、平松類医師のコメントがはいる。お酢納豆には、血流改善、血栓溶解、血のめぐりがよくなる可能性があること。老眼、白内障、緑内障にもに一定効果がある可能性について言及がされる。なお、以前、アゴラで紹介をした『図解 老人の取扱説明書』(SBクリエイティブ)の図解版が上梓されたので紹介しておきたい。

さて、お酢納豆のつくり方だが、納豆1パックに対して大さじ1杯のお酢を加えてかきまわぜるだけ。ナットウキナーゼがはたらくことで、血管のなかにある血栓を溶かす効果がある。さらに、お酢を入れることで血圧上昇を防ぐ効果がある。番組内で、「納豆を食べても、ナットウキナーゼは血管にはいらない」という意見に対して、鳥取大学の玉井嗣彦医師(名誉教授)は「臨床研究で効果を確認している」と反論している。

お酢をかけると納豆菌はどうなる

次に、納豆にお酢をかけると納豆菌が死滅するか否かという論点になる。お酢には強力な殺菌作用がある。納豆菌は死滅しないのだろうか。素朴な疑問だ。この疑問に関しては、管理栄養士、菊池真由子氏は次のように解説する。

まず、一般的に納豆菌の胞子は酸に強いといわれていること。その証拠に、強力な胃酸でも死滅しないで腸に届くことが確認されている。つまり、お酢をかけても納豆菌が死滅することはないと主張する。さらに次のようにつづける。

「市販されている納豆に含まれている納豆菌は本物ではないんですね。本物は昔ながらのワラを使って作られる製法でつくられるものです。いまは食品衛生上の問題もあり、なかなか天然納豆菌が存在する稲ワラが使えません。本来の稲ワラをつかった納豆は、ないわけではありませんが、実はかなりの高級品になります。」(菊池氏)

「よく見かける安めのワラ包み納豆のワラはイメージ素材です。中身の納豆をしっかり包装してあるのは、ワラの納豆菌を利用している納豆ではありません。むしろワラと接触しないようにして腐敗を防いでいます。しかし、納豆としての風味は大きく違いますが、栄養成分などに違いはほとんどありません。」(同)

菊池氏の書籍についても何回かアゴラで紹介しているが、『食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)が近著である。なお、番組内で使用していたのは一般のパック式納豆。個人差はあると思うが手軽な方法なので試す価値はあるように思われる。すごい納豆、酢納豆の効果を堪能いただきたい。

尾藤克之
コラムニスト

即効!成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)
※10月15日上梓の拙著ですが出版後1週間で重版しました。心より御礼申し上げます。