晩夏と初秋?この季節に使われる漢字言葉を調べてみました

2018年08月31日 06:00

2018年の夏もいよいよ終わりに近づきつつある。この時季をあらわす「晩夏」は、8月中旬から9月上旬までくらいを指すようである。また、お盆を過ぎると「初秋」という説もある。しかし、今年は酷暑で台風も多い。きっちり分けることが難しい。暑さや天候にあわせて、「晩夏or初秋」を使い分けるのがよさそうだ。

今回は、田代幾美さん(会社員、ブロガー・「100歳以上生きる!!」)と、伊東稔さん(漢検2級、整体師、カイロプラクター)に、漢字に関するエピソードを伺った。なお、伊東さんの近著には『ねこ背を治す教科書』(ソーテック社)がある。

写真は田代さんが撮影したもの。

 

いまの季節にふさわしい漢字とは

まず、季語はどのような種類があるのだろうか。田代さんによれば、いまの時期の季語は、天候、動物、植物などから見られるとのこと。漢字とは実に趣深い。

秋麗(あきうらら)
=秋のよく晴れた日をいう。「春麗(はるうらら)」はよく聞くけれど、秋バージョンもあるようだ。

鰯雲(いわしぐも)
=鰯の群れのように空に広がる雲という意味。秋の空によく見かける。食するのは秋刀魚が秋の代名詞ともいえるが、空はイワシ。なんとも味があって面白い。

啄木鳥(きつつき)
=餌を採るときの木を叩く音と目立つ色彩が、晩秋の雑木林などで印象的。石川啄木の鳥?なにか由来があるのかも?

落鮎(おちあゆ)
=鮎は九月から十月頃産卵のため下流へと下る。その頃になると腹は赤みをおび鉄が錆びたような色になる。

蟋蟀(こおろぎ)
=草地や暗いところ、家の片隅など身近なところで鳴く。蟋蟀の鳴くのを聞くと寂しく、秋の風情がしみじみと感じられる。古名はきりぎりす。

蟷螂(かまきり)
=これらの昆虫を表す漢字。読めない書けない?

紅黄草(こうおうそう)
=マリーゴールドの名で知られている。五月から十月にかけて黄色や橙色の二センチほどの花をつける。長い期間楽しめる花だけれど、どことなく秋の雰囲気がある。

狗尾草(えのころぐさ)
=全国どこにでもみられるイネ科の植物、ねこじゃらしともいう。晩秋になると葉も紅葉して美しい。天狗の尾っぽの草という意味か。

葉鶏頭(はげいとう)
=ヒユ科の一年草。茎は1~2メートルほどの高さになる。秋、茎の上部の葉が、赤や黄、紫紅色に色づく。読んで字の如し、鶏の鶏冠のようなかたちの花。さまざまな色を咲かせてくれるのが、冬になる前の楽しみでもある。

案山子(かかし)
=稲を鳥から守るため、田に立てる人形。秋の季語。たしかに、秋の風に稲がなびく田圃に、案山子が佇んでいるような印象。

鯊釣(はぜつり)
=鯊は秋になると身が充実して美味くなる。釣り人にとっては、秋の行事になるのか。

夏から秋へと移ろうさまのニュアンスが、それぞれの言葉からもそこはかとなく伝わってくるような気がしないだろうか?

次の漢字が解けたら漢検1級レベル?

漢字好きの皆さまに、田代さんと、伊東さんから例題がある。漢字の読み方と、漢字の意味が全問わかればかなりのセンスの持ち主だ。2人によれば漢検1級レベル(あくまでも勝手認定ですが)とのこと。ぜひ、チャレンジいただきたい。

季秋(きしゅう):秋の終わりの1か月
晩秋(ばんしゅう):秋のおわりごろ
暮秋(ぼえき):秋のおわりごろ
涼秋(りょうしゅう):涼しい秋
色取月(いろどりづき):木の葉の色づく月の意
小田刈月(おだかりづき):稲を刈り取りする月
授衣(じゅい):古代中国で、9月に冬着を授けたことから
太衝(たいしょう):陰暦9月の異称
無射(ぶえき):陰暦9月の異称
竹酔月(ちくすいづき):陰暦9月の異称
寝覚月(ねざめづき):陰暦9月の異称

これらは全て旧暦9月の異称・異名になる。太衝、無射、竹酔月、寝覚月に関しては、旧暦9月の異称・異名リストに載っている。まだ、暑い最中だが、季節を先取りすればイマジネーションがはたらく。漢字に歴史のロマンを感じるのはなぜだろう。なお、本記事のアイデアを提供いただいた、田代さん、伊東さんに御礼申し上げたい。

尾藤克之
コラムニスト

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