悠仁様を皇太子が教育すべきという週刊誌報道

女性セブン2018年9月20日号に『小室さんの件を受け悠仁さまに「皇太子ご夫妻下で帝王学」計画』という記事が載っていて、そこに私のコメントが載っている。そこで、少し解説をしておきたい。

9月6日に12歳の誕生日を迎えられた悠仁様(NHKニュースより:編集部)

記事の内容の主要点は、以下のようなことである。

①眞子さまと小室圭さんの結婚の行方。小室家の“不都合な事情”が次々に明らかになり、「なぜ眞子さまは小室さんを選んだのか」「なぜ秋篠宮ご夫妻は結婚を認めたのか」ということが話題となり、 「最初に上がったのは、小室氏が“天皇の義兄”にふさわしいのかということでした。さらに、もっと根本的な問題として、秋篠宮家の教育方針を案じる声も出始めた。たとえば、まだ先の話ではありますが、悠仁さまがお妃として、まさか小室氏のような複雑な事情を持つ人物を選びはしないかと。そんな中で、まことしやかに『計画』が囁かれるようになりました」(宮内庁関係者)。

②「その計画とは、悠仁さまを、皇太子さまご夫妻のところへ預けるというものです。皇室典範で認められていない『養子』にするわけではなく、天皇皇后両陛下と生活を共にし、直々に、将来の天皇としての教育を受けてもらおうと考えてのことです。

③もし帝王学を学んでいただくならば、このタイミングしかないと考える有力な皇室関係者もいます。政治的な話にもなりかねないので、事前に政治家にも相談がいっているようで、一部の国会関係者の間でもそのような計画が俎上に上がっているようです」(前出・宮内庁関係者)

そのあとに私のコメントが載っているのだが、取材のときに申し上げた話をコンパクトにまとめたものなので、この問題についての私の見解を少し詳しく書いておきたい。私はそういう話があるがどうかという質問を受けてだいたい、このようなことを申し上げた。

①悠仁さまの帝王教育について、皇太子殿下のときの浜尾実侍従のような帝王教育を施す養育係がいないのはよろしくない。多忙な秋篠宮家の両殿下だけにお任せするのは無理がある。(浜尾侍従については下記のWikipedia記事がある)。

東京大学工学部応用化学科卒業。熱心なカトリック信者で、1946年(昭和21年)12月21日に東京の世田谷教会で受洗した。洗礼名はセバスチアノ。1951年(昭和26年)に東宮傅育官として皇太子明仁親王に仕え、その後東宮侍従となってからは浩宮徳仁親王・礼宮文仁親王兄弟の幼少時の教育に当たった。多忙な皇太子夫妻に代わって、親王の学校行事・面談に出席することもあった。浩宮・礼宮からは「オーちゃん」の愛称で慕われていた。1971年(昭和46年)に退官する。

②秋篠宮殿下はご自分でも皇太子殿下と違って天皇になるための教育は受けていないと仰っている。殿下は皇太子殿下に比べて世間のことはよくご存じであり、フランクな性格であるのは長所だが、陛下や皇太子殿下のようなほのぼのとしたしゃべり方とか所作とはまた違うのはそういう教育の違いに起因する。そういう意味では、将来の天皇になるべき悠仁さまは、皇太子殿下との接触の機会を多くして皇太子らしさ、天皇らしさを身につけていただく必要はあると思う。

③特に紀子さまは孤軍奮闘の状態である。悠仁さまには、雅子さまの不調から本来は皇太子妃が行うものまで含めた公務の過剰負担に加え、悠仁さまの母親としてだけではなく、皇太子になるための“教育係”の責任も果たされようとしているが、これは過大であり、それが、眞子さまの婚約問題の迷走の原因ではないかと思われる。これは、少し整理した方がよい。
そのためにも、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻、そして、専任の養育係が役割を分担しつつ協力して悠仁さまの帝王教育にあたるべきだ。

④仮に皇太子殿下、秋篠宮殿下、悠仁様が健在でおられたとして、皇太子殿下が今上陛下と同じ85歳で退位されるとすれば、80歳の秋篠宮殿下が即位され、5年後に悠仁様が即位されることになる。しかし、これは、合理的でない。

そこで解決策はふたつある。ひとつは、皇太子殿下から悠仁さまに直接継承することであり、もうひとつは、皇太子殿下が早めに退位され、たとえば、秋篠宮殿下が最低でも10年ほどは帝位におられるようにすることである。

それは、いまから決める必要はなく、両殿下の健康状態、雅子様の状態、悠仁様の結婚や子づくりの状況などを総合的に勘案して臨機応変に対応すべきである。

その意味で参考になるのは、ベルギー王室である。ボードワン国王には子がなかったので、皇太子は弟のアルベール殿下だった。しかし、大方の予想は、アルベール殿下は飛ばしてその子であるフィリップになるだろうといわれ、ボードワン国王は各種行事にフィリップを連れて帝王教育をしていた。

しかし、ボードワン国王が早く病死され、フィリップは結婚もしていなかったので、アルベール殿下が急遽、国王になって、のちに、退位してフィリップ殿下が国王になった。

こうした例を参考にして皇室は万全の体制を整えるべきである。

誤解だらけの皇位継承の真実 (イースト新書)
八幡和郎
イースト・プレス
2018-04-08