高校から米国へ、そして医師を目指すには:日本人大学生に聴く

2018年10月09日 06:00

たまたま米国の大学で学ぶ日本人と出会ったのでインタビューしてみました

モテたい、ただそれだけのために米国に渡った心臓外科医・北原大翔が、米国にいるさまざまな人と対談し、己の愚かさを再認識するとともに、若者たちの未来の可能性を広げられるような情報を発信しようという企画です。

北原 どうも初めまして、シカゴ大学の北原大翔(ヒロト)です。突然ですが“知る”という行為は非常に大事だと思うのです。いやそんなことお前に言われんでも分かっとるわ、と思うかもしれませんが、“知る”ことによって二つの利益が得られるからです。一つは“情報”を得る利益、もう一つは情報を基に行動を起こすか・起こさないかの“選択”ができる利益です。このインタビュー企画を通して皆さんには色々なことを“知る”=“情報”と“選択”の利益を得てもらえればいいなと思っています。

記念すべき第1回のゲストは、米国で医師を目指して勉強中の大学生Toshiくんです。日本と米国の学生生活や考え方の違いについて聞いていきたいと思います。どうもこんにちは。

Toshiさん(北原氏提供)

Toshi こんにちは、お久しぶりです。

北原 そこは「ハイ!」とか「ハロー!」とか「ワッツアップ!」じゃないんだね。

Toshi はい。僕の名前は松陰寛といいます。こっちではToshiと呼ばれています。15歳まで日本で育ち、その後、米国の高校に進学して、今年からボストン大学に入りました。今20歳です。

北原 若いね。色々と聞きたいんだけど、まず、どうして米国の高校に進学しようと思ったの?

Toshi 中3の初めくらいの頃から米国への留学を考え始めました。子供心に、グローバル化が進む中、これからは英語くらい普通にしゃべれないといけないのではないか、そして英語をしゃべれるという利点をより有効にするには、日本の大学を卒業するより米国の大学を卒業する方がいいのではと思ったのです。現に世界の大学ランキングなどを見ても、米国の大学は上位にありますし。シカゴ大学もかなり高ランクですよ。

北原 中3でグローバルとか考えていたんだね。僕はその頃そんな言葉知らなかったし、校庭でなんかよく分からない汚いボールとか蹴って遊んでたね。そもそもどうやったら日本の中学から米国の高校に進学できるの?

Toshi SSATという高校受験用の一斉学力テストがあって、それを受けました。あとはTOEFLですね。

北原 TOEFLね。何点だった?

Toshi あまり高くなかったですよ。米国に来る前が82点とかでした(120点満点)。

北原 (僕45点だったな)そっか、まぁそれなりだね。そしたら英語は割としゃべれる方だったんだ。

Toshi 全然ですよ。米国に来た時は全くしゃべれませんでした。しかもTOEFLの点数も低かったのでこれでは高校に受からないかも、と思ったんです。そこで、特に義務ではないのですが、現地の高校までわざわざ面接を受けに行ったんです。

北原 でも、逆にしゃべれないことが露呈しちゃったんじゃないの?

Toshi 知り合いの英語をしゃべれる人に想定質問と回答集を作ってもらい、それを丸暗記して、当日はそれをそのままテープレコーダーのように再生してみました。それが面白いくらいうまくいったんです。

北原 それでうまいこと高校入学できたわけだね。

Toshi はい。インタビューの最後に好きな音楽は何?って聞かれて、すごく単純な質問だったんですけど、質問集になかったから3回くらい聞き返しちゃって。最後に英語をしゃべれないやつだってばれちゃったかもしれないですけど(笑)。

北原 そういえば、僕もUSMLE(米国医師国家試験)を受ける時に全く同じようなことをしたね(当時30歳、toshiくんは当時15歳)。模擬患者の問診、診察、カルテ書きを30分かけてやる×12回っていうヘビーなテストだったけど、質問と答えを丸暗記して。全く相手の言っていることが聞き取れなかった時も「オッケー、安心して、僕は全力をかけて診察するよ。それで、痛いのはどこ?」とか、「君の言いたいことは分かるよ。でも大丈夫、この病院は素晴らしいスタッフを常備しているから、安心してくれ。それで今までに大きな病気したことある?」みたいな感じで、話を流して全く異なる質問にすり替えるというフレーズを用意して度々使ったりしたよ。こういったすり替えの能力って、実際の臨床でもしゃべりすぎて要点がまとまらない人に対して使うこととかあったりして、実は結構使えるんだけど。

あと、こういったテストは非常に客観的な評価をしづらいものなので、点数のつけ方は単純なもの、かつ、加点方式になるんだと思うんだよね。例えば、こいつ英語下手だな、と思っても、それを客観的にはその場で評価することなんてできないから、これ聞いてきたな、あれ聞いてきたな、これ診察したな、このワードとこのワードを言ってきたな、という感じでどんどん加点していくのかなと。そういった加点方式に対してこの「暗記したものを全部言う作戦」はかなりマッチしていて、下手すりゃペラペラいらんことしゃべっているネイティブスピーカーよりも高得点が取れるんじゃないかな。テストで高い点数を取るためにはそのテストの点数のつけ方を理解することが大事だね。めちゃくちゃ話ずれたね。

(後半は22日以降に掲載します)

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北原 大翔
シカゴ大学心臓胸部外科医

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