菅官房長官にがっかり:ギャンブル依存症対策の計画を半年で作れるの?

田中 紀子

ここの所、パチンコなどにかなり大ナタを振るうような発言をしているとされていた菅官房長官が、この度「ギャンブル依存症対策基本法」に関しこのような発言をしていたということで、心からがっくりときています。

ギャンブル依存症対策で計画策定へ 来年4月まで(ANNニュース)

菅さん、期待してたのに……。
結局はあれはリップサービスだったのか?
それともお取りまきが作戦として流したことなのか?
真実は分かりませんが、とにかくがっかりしました。

政府インターネットテレビより:編集部

来年4月までに基本計画ってことはですよ、あと半年しかない訳ですよね。
関係者会議が入った!と喜んでいたのもつかの間、これでは全く形だけの関係者会議ですよね。

半年だったら、関係者会議を招集して、委員が自己紹介して、内閣官房のたたき台をみて、意見を言って修正かけて「はい!出来あがり」と、完璧に官僚の作文で終わっちゃいます。
様々な現状の問題点、突っ込んで決めなければならないことが沢山あるギャンブル依存症対策で、そんな簡単に基本計画が策定できるわけがないです。

「カジノの言い訳のために、基本計画を急いで出したい!」
まさかとは思いますけど、内閣官房もこんな思惑で動いているんじゃないでしょうね?
安倍総理自らも、さんざんIR法案とは別に、ギャンブル依存症対策を「しっかりやる」とおっしゃっていましたよね?

アルコールは関係者会議を2年かけて26回やっています。
菅さんは、5月にあるギャンブル依存症の啓発週間に間に合わせる!なんていかにもそれっぽくおっしゃってますけど、啓発週間は別に基本計画が策定されなくても、先行して始めることなどいくらでもできます。
現に、アルコールは基本計画が策定される前から、啓発週間が始まっていました。

野党の先生方には、法案が国会で審議されている間だけでなく、
その後の経過も含めて、「しっかりやる!」といった約束が、
本当に果たされるよう、お力添え頂きたいです。

折しも明日から臨時国会が始まるとのことなので、私からも、せっかくのこの機会に、基本法が付焼刃の中味が伴わないもので終わってしまわないよう、これから必死に働き掛けるつもりでいます。

国民の多くが反対していながら通過したカジノ法案。
そのカジノの運営に大きな影響を及ぼす、ギャンブル依存症対策基本計画が、きちんと中味の伴うものとなるよう、仲間の皆さんはもちろんのこと、国民の皆さんで見守り、応援して欲しいです。

半年間のわずか数回の形骸化した関係者会議とならないよう、
どうか世論の力を貸して下さい。
お願い致します


編集部より:この記事は、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2018年10月23日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。