「クールジャパンパーク大阪」。
大阪のホテルで記者発表が行われました。
司会はハイヒールさん。
2019年2月、大阪城公園にさまざまなジャンルのエンターテインメントを上演する大・中・小の3劇場を建設する構想で、吉本興業など民間13社と官民ファンド「クールジャパン機構」による大事業です。
吉村洋文大阪市長は、大阪の伝統と新規性をかけ合わせるプロジェクトに強い期待を寄せました。
「世界は国と国だけでなく、都市と都市の競争になっている。大阪にしかないものの価値を発揮したい。いま大阪に足りないものはナイト・エンタテインメント、大阪城公園に足りないものは滞在性。民間のみなさんと盛り上げていきたい。」
道頓堀五座のあった有数の劇場の町、エンタメ都市。
そして今どこよりもインバウンドで賑わう大阪、万博誘致に注力する大阪。
チャンスが来ています。
クールジャパン機構のCEOに就いた北川直樹さん「ある有名アーティストが劇場はメディアだと言っていた。ネットが進化するほど、空間や場が大事になる。機構として参加できるのは光栄だ。」
元ソニー・ミュージックエンタテインメント社長としてエンタテイメントを熟知した北川さん。
そして彼を支えるCOOとして加藤有治さんが就任しました。
加藤さんは元郵政省のぼくの同僚で、パリで一緒に仕事をしたこともあるのですが、その後投資の道に進み、トップ級の実績を持ちます。
ぼくらのCiPファンドも立ち上げてくれました。この強力コンビによる指導を期待します。
整備するのは3ホール。
大劇場が1138席、中劇場は702席、小劇場は300席。
「この上ない立地と、ホールの設計だ。」(北川さん)
大劇場はWWホール、中劇場はTTホール、小劇場はSSホール。
明石家さんまさんが命名しました。
呼び方は自分たちで自由につけてください、とのこと。
「ワク・ワク」ホールとか、「すっごい・せまい」ホールとか。
こけら落とし公演として、「KEREN」という演目が用意されています。
演出はレジェンド高平哲郎さん。
「ケレン味のケレンは邪道・ハッタリの意味も持つ。日本伝統のアナログ舞台と、最先端のマルチメディアで装飾する。世界に通用するノンバーバルのステージになる。ビジュアルは横尾忠則さんが担当し、カナダのMoment Factoryが映像を演出。ブロードウェイやラスベガスに匹敵するショーを作る。」
本件について、一年前に高平さんとお話したのですが、それよりもうんとデカい構想になっています。これを聞くだけで、このパークにかける関係者の意気込みが響き、待ち遠しくなります。
パーティーにて、乾杯の挨拶を突如振られました。
「クールジャパンという言葉が生まれて15年。政府はずっと日本文化を海外に発信するアウトバウンドに力を入れてきたが、このところキタもミナミもインバウンドさんで大賑わい。インバウンドさんへエンタメを充実させることが中心課題になっています。」
「来年のラグビー、再来年の東京オリパラ、それに続く大阪万博というこのタイミングでの開園、ドンピシャ。それを大阪の企業と行政が一丸となって形作る。一丸となる姿は、感動をありがとうのサムライブルーの力強さを感じさせます。日本とアジアを元気にしてください。」
初年度の年間来場者目標は50万人。成功を期待します。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2018年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。