メンタル強すぎ。小池都知事とすしざんまいが、初競りジャック

2019年01月08日 16:00

小池都知事が見守る中、築地から昨年10月に移転した豊洲市場で初となる新年最初の取引「初競り」が5日早朝に行われ、すしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村(東京)が、一番マグロを3億3360万円で競り落とした。

私は目を疑った。というよりも正直悪い予感はしていたので、実際はその予感が的中したと言うべきか。

小池知事、つきじ喜代村「すしざんまい」公式ツイッターより:編集部

移転した豊洲市場での初競りが盛り上がることは大変喜ばしいことと思うし、新市場は大いに盛況であって欲しいと日頃から切に願ってもいる。

しかし、この二人はない。いや、この二人こそないのである。

なぜなら、この二人こそが、豊洲市場の2大重要関連インフラである、環状2号線と千客万来施設をオリンピックに間に合わなくさせた張本人だからである。

小池東京都知事の原罪

私は、小池都知事が、自らの当選のため豊洲市場移転に反対していた勢力の論調に選挙戦後半で突如相乗りし、移転の見直しをぶち上げた都知事選の経緯を忘れてはいない。

最も許せなかったのは、都知事に就任し自分が管理者になったにもかかわらず、科学的根拠の薄弱な地下盛り土問題や地下水問題を、自らいたずらに煽り風評被害を巻き起こしたことである。

結果、小池都知事のメンツをたてながらも豊洲市場移転を実現し、暫定でもなんとか環状2号線を開通させるため、効用の不明な盛り土対策と地下水対策の追加工事が行われ、莫大な税金と時間が浪費された。

あげくの結果、小池知事が問題視した地価汚染水の数値は、改善などしていないのである。

しかしながら、豊洲市場は無事開業し活況であり、地下水の影響はまったく発生していない。

つまり、当初より多くの識者が指摘していた通り、豊洲市場移転の延期や追加工事など新市場の存立のために、まったく必須なものでなかったことは明らかなのである。

もし、「安全だが安心ではない」という小池都知事の歴史的妄言に従うのであれば、今もって市場は移転されているべきではないだろう。これほどのご都合主義を厚顔と言わずしてなんと言うのだろう。私は、これほど堂々と為政者による愚行が行われた例を寡聞にして知らない。

オリンピックという重要イベントを人質にとられ、都議会や都官僚も妥協せざるをえなかったということなのだろうか。

環状2号線は、日本の燃料電池モビリティー技術のショーケースとなるはずだった

とにかく豊洲市場の開業日を小池知事の独断(これも大いに問題なのだが)で延期した判断は、代償がその効用を大きく上回る極めて愚かなものであったと考えるが、何より環状2号線オリンピックに間に合わなかった、つまり暫定開業となったことが最大の痛恨事であった。

なぜなら、今回のオリンピックで日本は燃料電池バスを代表に、水素を利用した燃料電池モビリティーの一大プレゼンテーションを実施する予定だったからだ。

環状2号線の暫定開通部は、暗く閉塞感が高い裏道の極みとしか言いようがなく、およそプレゼンテーションの場としてふさわしくない。

東京都交通局サイトより

燃料電池バスにまだ乗った経験がない方は、東京駅丸の内口からビッグサイト行きの都営バスに導入されているTOYOTA製都バスにぜひ乗っていただきたい。

化石燃料を使った内燃機関によらないモーター走行の振動の少なさ、静かさに加えて、車体に燃料電池を持つがゆえの強力なトルクとパワーが満員状態でも極めてパワフルで、その乗り心地の良さにきっと驚かれるはずだ。

うるさく、振動が多くて、非力、かったるいというおよそ多くの人がバスに持つ否定的な要素を払拭した素晴らしい乗り物なのである。

環境にも税にも低負荷であることが期待される、今後の人口減・高齢化社会が目指すコンパクトシティの実現に向けた素晴らしいモビリティーソリューションなのである。

しかも、水素を利用し発電する燃料電池自動車(FCV)は、通常の電源から充電して走る電気自動車(EV)に比べて、水素充填の時間もはるかに短く、各段に航続距離も長いのである。

電気を動力とする未來のモビリティーにおいて、FCVは優位性のある技術である。

そして何より、EVに比べて、自動車立国の日本に優位性があると考えられる技術である。

多くの識者も指摘するように、EVは自動車産業を間違いなくコモディティー化するだろう。

電池とモーターがあれば、ある意味誰でも作れる消費財である。極論すれば、家電である。

白モノでもない、黒モノでもない、銀モノ家電とでも名付けてみようか。

実際に、EVでは米テスラや中国資本となったボルボ等、従来のメジャープレイヤーではない勢力が台頭してきている。

かつてのパソコンや液晶テレビがそうであったように、コモディティー化した電化製品の市場で間違いなく日本は勝てないだろう。

トヨタの豊田章男社長が言うように、まさに“生きるか死ぬか”の局面なのである。

自動車がコモディティー化したときは、日本の産業社会が死ぬときである。

中国政府がEV大国に向けて国家をあげて邁進していることは公知である。

だからこそ、日本がFCVの優位性をアピールし、その技術を世界にアピールしガラパゴスの技術にせず世界に認めてもらうことが極めて重要なのである。

私は外国の陰謀論には常に慎重なのだが、小池都知事が自らの立身や保身のために風を読み乗ろうと常に振る舞ってきた体質を考えると、今回の豊洲市場移転延期騒動の顛末で結果として、水素モビリティーのプレゼンテーションの場が大きく損なわれてほくそ笑んでいる勢力がいるのではないかとの懸念が払しょくできないでいる。

「すしざんまい」さんも、チョンボがありましたよね

小池都知事は公人であるが、すしざんまいの社長は公人ではないのでそこまで厳しいことは言わない。しかし、「すしざんまい」の運営会社がかつて豊洲市場隣接で、にぎわい創出のために重要な千客万来施設の建設運営を大和ハウスグループとぶち上げながら撤退したことは事実である。

豊洲市場の千客万来施設が現在開業していない状況、そしてオリンピックにも間に合わない事態のすべてではないが一因と言わざるをえない。

小池都知事とすしざんまい社長に共通するのは、にくめない感の演出力

何にせよこのお二人に共通しているのは、「にくめない」雰囲気の自己演出力とメディア利用のうまさだ。

私は本職なので、今回の初競り「すしざんまい」関連露出を広告換算できる。メディア露出の広告換算というものは、計算根拠の設定で結構幅が出るものだが、軽く10憶円超えの換算が可能な露出量とだけは言っておこう。

年始のおめでたい風物詩の絵が欲しい大手マスコミ諸兄様。

緑のたぬきと赤いなんとやら(きつねという体ではないですねさすがに)に利用されてらっしゃいますよ。

悪しからず。

秋月 涼佑(あきづき りょうすけ)
大手広告代理店で外資系クライアント等を担当。現在、独立してブランドプロデューサーとして活動中。

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秋月 涼佑
ブランドプロデューサー

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