妊娠・出産時の議会投票

議員としての責務を果たす最大の仕事は、議会での意思表明、それは議決への参加、採決での投票行為ということになる。怪我や病気で投票行為が出来ないというのは、男性議員も、女性議員も同様であるが、怪我でも病気でもない妊娠・出産は、女性議員のみということになる。

議会制度がスタートした時代は、物理的な問題として対応できなかったことでも、ITインフラが充実されてきたことによって、課題を解決することが出来る。そうした意味では、妊娠・出産時の女性議員の投票に関して、自民党が改革案をまとめたことは大きい。

女性議員の数を増やしたいと本当に望むなら、こうした1つ1つの課題を丁寧に解決する事しか方法はないはずです。候補者を擁立しただけでは、当選は出来ないし、議員になっても環境整備が無ければ、活躍できないはずです。女性議員が数多く誕生して、真に活躍できる場があって、初めて女性議員が増える意味があるというものです。

議会では、議員が本会議や委員会に参加して、議事に対し採決時に投票する。投票は起立採決と記名投票があり、内容に応じてどちらかが選ばれる。昔と異なり、今は、本会議や委員会はインターネット中継で全てリアルに見ることが出来、本当に見ているかを追う事も出来る。その上で、マイナンバーカードで本人認証して、採決時にインターネットを使って投票することは、技術的には可能なのです。後は、議会上のルールを見直すことをすれば、実現可能という事になります。

海外ではどのような対応がなされているのか、事例が無いのか、というとスペイン議会の遠隔投票という仕組みがあります。日本における議院運営委員会に申請し許可を受ける。日程が決まると遠隔投票の利用が認められる本会議と議題に関するメールが対象者に送られて来る。インターネット上において、IDカードによる本人認証後、ID、パスワードで国会のイントラネットにアクセスして、投票する。投票後、メールで投票した旨を知らせると、電話で投票したかどうかの確認がなされる。2012年に制度が導入されて、約1600票が遠隔投票でなされているのです。

正に議論を推進してきた超党派の議員連盟が掲げていたように「平成のうちに」解決してもらいたい課題と思います。テクノロジーの進化を認め、利用することによって、課題を解決することは出来るのです。


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2019年2月12日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。