NHKが旧宮家に皇族復帰の希望を書面で回答要求

2019年05月01日 22:00

平成最後の日と、令和最初の日のテレビでは、儀式などの中継のあいまも含めて、盛んに皇位継承問題を論じていた。

さすがに充実した内容ではあるのだが、代替わりの儀式が続いているときに議論するにふさわしいことなのか?新陛下と皇嗣殿下になられる秋篠宮様という兄弟間の対立につながりかねない問題なのだけにこういうときには止めて欲しい。

いま議論をすることが、お祝いに水を差すのも問題だが、冷静な議論をするのは、ふさわしくない環境だ。

議論するとなると、なぜ、通学さえ不十分にしかできていない愛子様はふさわしくないとか、秋篠宮家には問題がどのように多いとかいった話題も俎上に乗せないと正しい議論はできないわけであるのだから、それをするのに相応しい時期でもない。

新しい天皇一家について誤った刷り込みを国民にするだけだ。

とくに30日にNHK総合テレビが放送した「日本人と天皇」はひどかった。全体的に不公平で男系論に対するイメージダウンを狙った方向性をもった番組だった。

NHK番組サイトより:編集部

そして、なんと失礼にも、NHKは旧宮家の方々に皇族に復帰する気があるかという質問状を出して書面での回答を要求した。

それに対して、すべての旧宮家は回答を拒否した。小泉内閣のときなら、恐れ多いとして、そんな気はないと回答しただろうが、あのときの議論を通じて、関係者はさまざまな議論をしていると聞く。

私が知る限り大勢は、「自分たちで望むことはありえないが、一方、要請があれば、真剣に受け止めるのが自分たちの義務だ」ということらしい。

もちろん、本人の希望もあれば、資質的に、あるいは家族の状況からお受けできないということもあろうが、皇室がどうなってもいいからお断りするということでもないのである。そういう時にお受けするのが義務という方も多い。

そのことが、NHKに対して回答しないと言うことで足並みがそろった背景にある。実際、小泉内閣のときは、寝耳に水だったが、その後、議論を繰り返し、自覚も生まれているのである。

しかし、NHKという公的な報道機関が、このような問題について、取材するだけならともかく、試験問題のような失礼な調査表を送りつけて回答を要求するとはあまりにも非常識というものであろう。

この問題をFacebookで取り上げたところ、一日で1000ほどの「いいね」をいただいているし、責任者の処分を求めるべきだという人も多い。

すでにアゴラの記事でも書いたが、平成の御代における汚点ともいうべき出来事は、佞臣や自分たちが個人的に皇室とのつながりを持つのに好都合だと考えた友人などが、陛下の子孫以外を皇統から排除しようという方向で皇位継承ルールをねじ曲げようとしたことだった。

陛下への忠義の証だと正当化したかったのだろうが、ときのボスのためにルールをねじ曲げろという論理は、ボスが交替したら、今度は新しいボスのために同じように動くことを正当化する。

平成の陛下のもとでは、悠仁様が優先でその子孫が続かなかったら、愛子様、眞子さま、佳子様の子孫にという議論になる(みんな気がついていないが、悠仁様が今上陛下より前に亡くなられるようなことでなければ、愛子様でなく眞子様の子どもが最優先で、ついで佳子様の子どもと言うことになる)。

しかし、新陛下の即位が迫ると、いっせいに、新しい陛下のに限ろう、あるいは優先にすべきだという議論が澎湃として湧き上がっていることが予想されたし、結果的にそうなっている。

つまり、新しい両陛下にへつらって悠仁殿下を排除しようとする新しい「佞臣」の登場だ。

そこで、改めて申し上げたいが、世襲の君主制は、伝統に従った継承をすることでこそ正統性が生じるのであって、その時々の君主との関係が深い人へルールを曲げて継承させるのは邪道だ。世界史を見ても、オーストリア継承戦争とか、スペインのカロリスタ騒動など戦争や内乱にまでつながってきた危険なものなのであることを確認しておきたい。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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