愛人と豪遊歴も…奔放なタイ新国王、世界注目の戴冠式

2019年05月05日 06:00

新王の戴冠式

タイで4日、ワチラーロンコーン国王の戴冠式が始まった。3日間の式典の費用は10億バーツ(約34億8000万円)に上るという。ワチラーロンコーン国王は父王プミポン前国王が2016年10月13日に崩御したことに伴い、即位した。2017年10月26日、プミポン前国王の国葬が行われ、2018年中にも新国王の戴冠式などが行われるのではないかと推測されていたが、政治日程との調整がつかず、この時期まで戴冠式が先延ばしされた。

今日のタイ王朝はチャクリ朝である。アユタヤ朝の武将チャクリ(ラーマ1世)がタイ人勢力をまとめ、18世紀末に建国した。チャクリ朝は首都がバンコクにあるため、バンコク朝とも呼ばれ、また、王宮が運河とチャオプラヤ川に囲まれたラタナコーシン島にあることから、ラタナコーシン朝とも呼ばれる。チャクリ(ラーマ1世)からワチラーロンコーン(ラーマ10世)現国王まで10代の王が続いている。

戴冠式に先立つ5月1日、タイ政府はワチラーロンコーン国王と事実婚の関係にあったスティダーさんが国王の4人目の妻になったと発表し、婚姻の儀式も行われた=下記写真=。

ワチラーロンコーン国王の前妻は元ストリッパーで、王室パーティで全裸踊りをして物議を醸した。ドイツを頻繁に訪れ、愛人らと豪遊していることも知られている。チンピラのような出で立ちの写真も撮影されている。

redditより引用:編集部

しかし、タイには不敬罪という刑罰があり、タイ王室に対して敬意を払わず、誹謗中傷した場合、3年から15年の禁固刑に処せられる。タイの不敬罪は非常に厳しく、王室を茶化すようなことしただけで逮捕される。

日本人20人が不敬罪で連行

不敬罪は外国人にも容赦なく適応される。2016年、軍が日本人20人を不敬罪の容疑で連行した。この日本人たちはタイの不敬罪の厳しさをよくわかっていなかったようだ。2016年10月13日のプミポン(ラーマ9世)前国王の崩御で、タイ軍事政権は娯楽的な活動を30日間自粛するよう求め、タイ人の多くがこの期間、黒い服を着て、喪に服していた。

それにも関わらず、10月31日、日本人20人はバンコク近郊のゴルフ場で、ゴルフコンペの打ち上げをして、飲み食いして騒いでいた。通報されて、軍が連行した。幸い、「服喪の礼節を保つよう」と軍から厳重注意を受けただけで済んだ。

過去には、著書でタイ王室の批判をしたオーストラリア人が懲役3年の実刑判決を受けている(2009年)。最近では、新国王の批判に、当局が神経を尖らせている。因みに、日本にも、かつて不敬罪はあったが1947年に廃止されている。

タイ王室はこのままで大丈夫なのか?

タイ王室は世界で最も富裕な王室である。約300億ドル(3兆3000億円)の資産を持ち、年間の収入は3億ドル程度ある。タイ王室が広大な王宮や寺院、土地を相続していることに加え、近年、王室が効率的な不動産投資で資産を増大させることに成功している。この他、タイ国軍とは別に、5000人規模の王室自前の軍隊も保有している。

シリントーン王女(Wikipediaより:編集部)

王位継承に関し、タイは慣例的に男系の長子優先であるが、国王が後継者を指名することもでき、女王が誕生する可能性がある。実際、プミポン国王の後継者として、博学で気さくな性格で人気の高いシリントーン王女が指名されるのではないかという見方が以前、あった。

タイでは、13年間で2度のクーデターが発生し、政治情勢が不安定である。これまで、軍によるクーデターが起こると、プミポン前国王は政権や軍の対立をうまく調停し、クーデターの過激化を抑えた。誰もプミポン前国王の「御聖断」には逆らわなかった。国王の采配もあり、治安が保たれ、タイは徐々に民主化して、経済成長した。

プミポン前国王は政治家を厳しく叱責することもあった。バンコクの交通渋滞に関して、「君たちは議論ばかりして、何も有効な手立てを講じていない」と叱りつけたり、バンコクが洪水被害にあった時も、「対応が遅過ぎる、何をやっているのか」と叱った。

ワチラーロンコーン国王にも、前国王と同様に大きな期待が寄せられるが、果たして、それに応えることができるだろうか。

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