男女共同参画週間:テクノロジーで誰もがフェアに働ける環境を

2019年06月24日 06:00

6月23日から29日までの1週間は、「男女共同参画週間」です。内閣府にある男女共同参画推進本部が平成11年の「男女共同参画社会基本法」の公布・施行日を踏まえ、毎年6月23日から29日までの1週間を「男女共同参画週間」として、男女共同参画社会基本法の目的や基本理念について啓発を図っています。

また、毎年法廷白書である年次報告書が国会に提出されており、令和元年版は6月14日(金)に閣議決定、国会に報告されました。

男女共同参画は非常に幅広い政治テーマで、 改善すべき制度は無限にあります。時代やそれに伴う人々の生き方の変化に合わせた制度設計が必要なのは他の制度と同じで、一度変えたらそれでOK、というものではありません。男女共同参画社会基本法の制定自体は20年前ですから、国際的にもそんなに遅れていたとは思えませんし、毎年さまざまな施策を打っているものの、今年度のデータで再確認できる通り、状況の変化はなかなか厳しいものがあります。

今回のデータで、身近なところで気になるのは、149カ国中110位という残念な結果である、GGI(ジェンダーギャップ指数)で見られる国の政策・方針決定過程への女性の参画と、民間女性の非正規雇用または非求職の状況です。明らかにこの国の働き方全体と意識を改革していくことによって解決できることが多いと思われ、改革にはテクノロジーが圧倒的に有効だと考えています。

国会議員に占める女性の割合は、衆議院10.2%、参議院20.7%(2019年1月現在) 、国家公務員のいわゆる管理職では、20%以下です。さらに深刻なのは、地方公共団体の政策・方針決定過程への女性の参画で、全ての都道府県議会に女性議員がいる一方で、市区議会の4.5%、町村議会の32.7%で女性議員がゼロ(2018年12月現在) と、国民の皆さんの日々の生活に最も近い政策決定の場に、女性の意見が反映しづらい状況にあります。

議員や公務員には、自らの意思と頑張りでなること自体はできます。しかし紙文化、対面原則、縦割りで硬直した組織構造、年功序列の人事制度など、長時間労働と古い慣習に縛られた現状の働き方だと、出産や育児と両立しながら続けていく、仕事が正当に評価されて機会を平等に得る、昇進していく、というのは残念ながら非常に難しく、高い志を持って国や地域のために働こうとその職についた人たちをその職場環境が疲弊させてしまいます。そのせいで、制度や行政サービスが、時代と国民の変化に遅れを取ってしまっていることも大きな問題です。

地方議員はそもそも男女問わずなり手が少ないという基本的な問題があります。これは、兼業規定の柔軟化や議会開催時間を夜間にするなど、見直しを進めることで解決の一歩を踏み出せます。家族がいる人にとっても住んでいる地域で活動できるので、国会議員のように国会と地元を往復する必要はなく、日々有権者とコミュニケーションできるので、本来、働きやすく評価されやすい環境が作れるはずです。

oldtakasu/写真AC(編集部)

また、民間企業においては女性の就業率という点では上昇傾向にありますが、非正規雇用も56.1%と半数を超えて上昇傾向で、女性の就業希望者(237万人)のうち、非求職の理由「出産・育児のため」が32.6%で最多です。

非正規雇用は自分の意思でそうしているのであれば一概に悪いということではありませんが、子育て環境の不備や過度の長時間労働、人事制度によって、本来、正規社員として得られる収入が得られていないならば解決しなくてはなりません。

関連する法改正の議論ももちろん必要ですが、まずは男女問わず意識改革が必要です。テクノロジーに任せられる仕事は任せ、仕事の総量を減らし、柔軟で効率の良い働き方をよしとする、各人の意思で仕事や働き方は選べる、家事や育児は男女どちらもやる、アウトソースやテクノロジーに頼るのもよい、という意識や思考の変革が必要です。意識が変わらなければ、法律だけ変えても人の行動は変わらないし、人の行動が変わらなければ、国や世界を変えることはできません。

AIやRPAを活用して、自動化できることは自動化すること、あらゆる手続きに関する書類のフォーマットは簡素化し、標準化して、オンラインでも記入、申請、受け取り、共有ができるようにすること、テレワークや作業共有ツールを採用して、いつでもどこでも柔軟な働き方ができるようにすること、ペーパーレス化を徹底して印刷や持参のための時間を減らすこと —— どれも一見小さなことに見えますが、法改正を待たずしてだれでもどの地域や職場でも始められることでもあるのです。

また、職場だけでなくコミュニティも例外ではありません。回覧板のために一度帰宅しなくてはいけないとか、 PTAの連絡が紙や電話のみだったりとか、場所や時間に縛られるのでは、地域のためといえど精神的に疲れてしまいます。

テクノロジーによって、男女に関わらず働く個人が時間と場所の縛りから解放されることは、男女共同参画の就業関連の課題を解決する大きな要素だと思っています。個人が働きやすくなることによって、生産性があがり、働く人の豊かな人生につながります。

また、現在働きたくても働けなくなっている人にも、フェアに仕事を得る機会を創出することもできます。男女共同参画は、女性のためだけではなく、日本の働き方全体を大きく変えるチャンスでもあるのです。ぜひまずは今週1週間、ご自身と職場の働き方を見直す機会にしてみてください。

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小林 史明  衆議院議員(広島7区、自民党)

自民党青年局長代理、行政改革推進本部事務局長。 電波、通信、放送政策、海洋水産政策、社会システムのデータ、標準化に取り組んでいる。2007年上智大学理工学部卒業後、NTTドコモに入社。2012年の衆院選で自民党から立候補し、初当選。第3次、4次安倍改造内閣にて総務大臣政務官(情報通信、放送行政、郵政行政、マイナンバー制度担当)。公式サイト。LINE@では、イベントのおしらせや政策ニュースをお届けしています。登録はこちら


編集部より:この記事は、衆議院議員、小林史明氏(自由民主党、広島7区)のオフィシャルブログ 2019年6月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林史明オフィシャルブログをご覧ください。

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小林 史明
衆議院議員(広島7区、自民党)

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