【特報】マック赤坂氏、初当選後の港区議会を“病欠中”

新田 哲史

マック赤坂氏(ツイッターより)

今年4月の東京・港区議選で初当選した実業家のマック赤坂(本名:戸並誠)氏(71)(無所属)が、当選直後の6月議会に数回出席した後、病気を理由に欠席し続けていることが25日、筆者の取材で明らかになった。

区議会事務局によると、議員デビューとなった5月29日の臨時本会議と、6月の第2回定例会で19日と20日の本会議には出席。しかし、その後は欠席がちになり、第2回定例会最終日の28日の本会議に出たのが最後になった。

7月に行われた委員会は欠席。今月2日に始まった第3回定例会(10月10日まで)についても本人から「全て欠席する」との届け出があったという。病気を理由にしており、議長も承認した。

マック氏はその知名度から区政や区議会への注目が上がるものと期待され、区議会関係者は「また元気になって活動していただけたら」と語っていたが、議員活動を再開するめどは立っていない。

港区の条例では、議会を欠席した場合でも月額614,700円の議員報酬支払いを妨げる規定はなく、交通費などの費用弁償等を除いて予定通り支給される。

他会派のある区議は、6月議会の採決時にマック氏と共産党だけが反対に回った案件のことを挙げ、「議案の中身を理解しているように思えず、ただ反対したかっただけのように思えた」と、新人議員としての経験不足を懸念していた。

出席議員のランプで、マック赤坂氏のみ点灯せず(25日港区議会、編集部撮影)

マック赤坂氏は京大卒業後、伊藤忠商事勤務を経て独立。レアアースの輸入業などを手がけてきた。2007年の港区議選に初出馬(落選)から政治活動を本格化し、国政選や都知事選など数々の注目選挙に立候補し、政見放送で独特のパフォーマンスを披露して注目を集めた。2013年には泡沫候補者の挑戦を追いかけたドキュメンタリー映画「立候補」でも取り上げられるなど、選挙マニアの人気者(?)となった。

自身14度目の選挙となる今年4月の港区議選は、定数34を54人が争う激戦となったが、30番目の1,144票を集めて悲願の初当選を果たした。議会デビューの際には、日頃区議会に来ることがないテレビやスポーツ紙などが取材に押しかけ、注目度の高さをうかがわせた。

ツイッターの発信も以前は積極的だったが、議会を休み始めた6月中旬以降は発信が途絶えている(9月25日16時時点)。

マック氏の事務所は筆者の電話取材に対し、スタッフが対応。病状などを尋ねたが、「病気のことはプライベートなことなので詳しくは申し上げられません」とコメントしている。

新田 哲史   アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長
読売新聞記者、PR会社を経て2013年独立。大手から中小企業、政党、政治家の広報PRプロジェクトに参画。2015年秋、アゴラ編集長に就任。著書に『蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた?』(ワニブックス)など。Twitter「@TetsuNitta」