「表現の不自由展」再開に「意味不明。大村知事は辞任すべき」の声

アゴラ編集部

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、「慰安婦問題を象徴する少女像」や「昭和天皇の肖像をバーナーで焼き、燃え残りを足で踏みつける映像作品」などを展示し、中止になった「表現の不自由展・その後」について、企画展実行委が、芸術祭実行委(会長・大村秀章愛知県知事)に展示再開を求める仮処分の審尋で和解が30日に名古屋地裁で成立した。

そして、審尋に先立ち、大村知事は愛知県が10月6~8日の再開を目指していることも明らかにした。NHK朝日新聞など複数のメディアがこの動きを報じた30日昼から、ネットは瞬く間に展示再開を巡って紛糾している。

展示が中止された企画展「表現の不自由展・その後」(KBSニュースより:編集部)

この報道後に芸術監督を務める津田大介氏がツイッターを更新し、朝日新聞の記事をシェアする形で「表現の不自由展」再開を報告。また、左派のおなじみの人たちからは「あいトリは14日まで!みんな行こう!」「法的に問題ない展示に感情で妨害する権利はない」などと、再開への動きを歓迎する声が聞かれた。

一方、ツイッターや上記記事が配信されたYahoo!ニュースのコメント欄には、「愛知県民の税金でどうぞ」「意味がわかりません。大村は辞任すべきだ」「愛知県民はどう感じているのだろうか」などと再開に否定的な意見も多く見られた。

意味がわかりません。大村は辞任すべきだ。

国からは、金は出ないのでしょうけど、県からは出るのでしょう。
大村知事を・・・どうすればイイ、・・・弾劾?
愛知県民がどう感じているのだろうか

あいちトリエンナーレへの文化庁の補助金不交付をめぐっては、「展示内容ではなく手続きの不備の問題」と同庁は指摘しているが、「昭和天皇の肖像をバーナーで焼き、燃え残りを足で踏みつける映像作品」や「出征兵士を侮蔑する「墓」の作品」への「公金支出」に反対する意見はやはり多く、またそれらの作品について一切報じないTVや新聞などの報道姿勢が問題視されている。

また昭和天皇の肖像を燃やす作品の是非については、愛知県特別顧問の上山信一氏が「燃やすという行為は祈り」などとツイート(現在は削除)したことも論議を呼んだ。政治学者の岩田温氏は「詭弁を弄する曲学阿世の徒」と激しく非難した。

文化庁の助成金不交付方針の是非については、元経済産業省官僚で、アゴラフェローの宇佐美典也氏は「基本的には手続きの問題だと思うが、大村知事が積極的に場外乱闘に持ち込んでいる印象」とし、東大教授の法学者・玉井克哉氏は「場外乱闘なのかまともな権利主張なのかは、法的手段に出るかどうかが試金石になる」との考えを示していた。