過疎地の路線バスを自動走行バスに代えよう

2019年10月10日 14:00

過疎地の公共交通は課題山積である。特に路線バスについては、運行するバス会社の大半が赤字経営で、地方公共団体からの補助金によって維持されている。廃止路線が増えると買い物弱者・通院弱者が増加し、その先には限界集落の維持が困難になるという事態が待ち構えている。

過疎地の路線バスを自動走行バスに置き換えられないだろうか。

過疎地には信号が少ない、対向車も路上駐車も少ないといった特徴があり、技術的には都心での運行よりも容易である。自家用車やタクシーと違って決まった路線を走るので、地図を記憶させるなどの経路設定も簡単にできる。

自動走行バスの導入で運行頻度が確保できるようになれば、観光地での移動手段としての活用にも可能性が生まれてくる。「自動走行ツーリズム」は地域活性化の手段になるかもしれない。

路線バス廃止の要因の一つは運転手不足である。

埼玉工業大学が9月29日に本庄早稲田駅で実施した走行実験では、緊急時に対応できるように補助要員が運転席に座っていた。これでは人員不足の問題は解決できていない。遠隔からの監視で済ます、完全自動化するといったところまで進歩する必要がある。

埼玉工業大学サイトより

警察庁は9月に「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」を改正した。当面は20km/hが最高速度で、「遠隔型」では通信遅延も十分考慮することになっている。

遠隔監視といっても、1台の自動走行バスを一人の監視員が常時監視しているので人員不足問題への対策にはならない。この点について、まず1台を一人が監視する実験を行い、安全に公道を走行させられると確認できた後に、1台ずつバスを増やしていく、という条件がついている。

実証実験中の事故を懸念する気持ちもわからなくはないが、慎重に進め過ぎると過疎地での公共交通問題への対応策として間に合わない恐れがある。社会問題の解決が規制緩和の遅れで阻害されないように、警察庁はさらに検討を進めてほしい。

山田 肇

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