とにかくすごい!米国「セサミストリート」新キャラのお母さんは依存症!

2019年10月12日 06:01

仲間からの情報で、感動しまくっておりますが、皆さんはかの有名な子供向け教育番組「セサミストリート」をご存知でしょうか?

1971年から2004年までNHKで放映されており、1964年生まれの私なんぞはまさに放映を楽しみにして育ったドンズバ世代で今でもテーマ曲が歌えるくらいです。ビッグバードやエルモなどのキャラクター商品は現在でも発売されているので、今の若者世代やお子さん方でも目にされている方は多いはず。

このセサミストリートは、その内容の素晴らしさからテレビ番組で最多のエミー賞を受賞しています。

このセサミストリートがこの度新キャラクターとして登場させたのが「カーリー」ちゃん。
なんとこのカーリーちゃんは、お母さんがアルコールとドラッグの依存症と闘っているという設定なのです。

この難しいキャラ設定への挑戦は、米国でも話題になっているようで、ニュース番組でも取り上げられていました。

‘Sesame Street’ takes on tough issues as Muppet’s mom battles drug addiction(GMA)

早速、セサミストリートのHPをみてみると、これがアディクション(依存症)問題を抱えた親を持つ子供達に向けた、素晴らしい教材になっていて仰天しました。

Sesame Street Incommunities

まず動画素材です。
トップに来ている「親の依存症」について語っている動画では、おなじみのエルモちゃんが、パパとカーリーちゃんのお母さんについてお話ししています。

お友達のカーリーのママがしばらく留守だったこと、戻ってきたら前とは変わって健康そうに見えること、エルモちゃんが不思議そうに「でもどうして、カーリーのママはどこかに行かなきゃならなかったの?」とお父さんに尋ねると、お父さんは優しく「彼女は病気にかかって助けが必要だったんだよ」と依存症について説明します。

驚くエルモちゃん「カーリーのママは良くなるの?」「彼女は回復に取り組んでいるよ」と伝えるパパ。
「僕、とっても嬉しいよ」「パパも嬉しいよ」と、終始あったかい空気が流れています。

さらに「手を貸す」という動画では、カーリーちゃんのママが、依存症回復のために今自助グループに行っていることをお友達のエルモちゃんに説明しています。

そして、カーリーちゃん自身も同じく親が依存症問題を持つ子供達の自助グループに通っていることも話しています。
さすがアメリカ!この「親が依存症の問題を持つ子供達の自助グループ」は、親御さんの問題がアルコールなら「アラティーン」、薬物なら「ナラティーン」、ギャンブルなら「ギャマティーン」と呼ばれているものなのですが、日本にはまだありません。

そして、極めつけは「カーリーちゃんの塗り絵」という教育コンテンツです。
これは本当に良くできています。

Karli’s Coloring Quilt(Sesame Street in Communities )

依存症の親を持つ子どもたちに必要な知識を7つのCであらわし、それが塗り絵を完成させることで学べるようになっています。

7つのCとは

cause:原因
(親の依存症は)私のせいではありません。

control :コントロール
(親の依存症を)私はコントロールできません。

cure:治す
(親の依存症を)私は治すことができません。

でも!

care:世話
自分のことは自分でできます

communicate:伝える
私は気持ちを伝えることができます

choice:選択
私は健康的な選択ができます

celebrate :褒める
自分を褒めることができます。

どうですか?こうやって遊びながら、楽しみながら、子供のうちから依存症の誤解や偏見を是正していく。温かく優しい語り口に思わず涙がでました。そしてHPでは、こういった子供達をケアする立場の大人たちに向けて、教材の使い方も解説されています。

そして「日本にもこんな視点が欲しい!」「是非ともこの日本語バージョンを作って欲しい!」と願い、今、関西の薬物依存家族会の仲間とセサミストリート日本への働きかけを検討しています。どうやったら上手くいきそうか?セサミストリート日本に繋がりのある方がいらしたら、どうかお力を貸して下さい!

誤解なきようもうしあげますが、米国だって大麻や覚せい剤は違法です。
そこは日本と同じで、逮捕もされるし裁判だってあります。

でも、依存症問題は罪に問うよりも、治療の方が有効だ!ということを、国民の多くが知っているのです。
だからこそ「治療に立ち向かおう!という人に対しては、罪に問うのではなく応援しよう!」という社会の理解が進んでいるのです。

対する日本は、依存症問題を抱える人を叩き、人格否定をし、芸能界ではかつての仲間であっても「縁を切る!」なんて言ってしまう、冷血発言をするタレントさんをむしろ賞賛し、かっこいいことのように持ちあげています。

また現在は回復に向けて努力をしている、清原さんのような方が、お子さんと会う機会にまでマスコミは平気で隠し撮りをしたりします。

自分たちが名をあげ、お金になりさえすれば、他人の親子の絆なんかどうでもよく、お子さんたちの気持など想いやることなど、その大人たちにはできないのです。こういった一部の冷血マスコミ人にも是非この動画を見て学んで欲しいです

このテーマを取り上げてくれた米国セサミストリートさんに心から御礼申し上げると共に、なんとしても日本語バージョンを作って頂きたく、働きかけたいと思っています。関係各位の皆様、力なき私たちにどうか力を貸して下さい。宜しくお願い致します。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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