正論では悪くないのに「不祥事」扱いされたらどうするの?

2019年10月15日 06:00

立憲民主党の芝博一参院国対委員長は10日、台風15号の被害が拡大していた9月13日に長野県軽井沢町のゴルフ場で、有志議員が参加するコンペを開催していたことを認めたと産経新聞が伝えました。

ゴルフコンペを主催した芝氏は、産経新聞の取材に書面で「有志でゴルフをプレーした」と認め、同時に「台風15号は本年9月7日から9日を中心として上陸したもので、その前後は災害対応ということで、一議員という立場ではあるが適切に対応している」とも記し、問題はなかったと強調したとも書かれています。

選挙の洗礼がある政治家は、不用意な発言がもとで政治生命が危うくなるケースがあります。いくら自分のいっていることが正論でも、有権者が納得しなければおさまりがつかなくなるのです。たとえば、ある企業で不祥事や事故があった際、社長や役員がその事実を把握しながら旅行やゴルフに出かけていたなどというケースがあります。

「これは慰労の一環ですから、マスコミに責められるいわれはないし、詳細について説明もいたしません」「ゴルフは半年前から決まっていたことで、健康管理を目的にやっていますから、事故対応とは関係ないでしょ」。このような発言によって火に油を注ぐことは少なくありません。慰労の一環や、ゴルフが半年前から決まっていたことが事実であれば、たしかにその意見は正論かもしれません。

しかし、聞いている方からは居直りとも取れる印象を与えてしまいます。建前でも「本日、第三者委員会を立ち上げ実態調査の指示を出しました。結果が分かり次第、迅速に報告したいと思います」と答えておけば、居直りに見られるよりは、問題が多少改善したはずです。正論は時と場合によってマイナスイメージを与えてしまうものなのです。

政治家が言葉を使い分けることは大切なスキルであることは言うまでもありません。しかし、有権者にとって裏切られたような印象を残すことは好ましくありません。信頼感が揺らいで政治不信につながる危険性があるからです。言葉の解釈で押し切っても有権者は納得しません。政治家の説明は具体的でなければ説得力がありません。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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