今週のつぶやき:中国GDP6.0%をどう見るか?

台風の爪痕は関東より東北や長野など思わぬ方面に大きな被害をもたらしました。今回の被害の特徴は何といっても堤防決壊でした。温暖化で今後台風の上陸ポイントが東海や関東にずれてくる可能性はあります。その時に向けてどれだけのインフラ再整備ができるか、オリンピック後の最重要課題になる気がします。

では今週のつぶやきです。

中国GDP6.0%をどう見るか?

事前予想は6.1%成長、一部では6%を切るのでは、という悲観的な見方もありました。習近平氏にしてみれば2012年の党大会で「2020年には2010年に比べてGDPを倍増させる」と設定されているのでそれを死守しないとメンツが潰れるという瀬戸際にあります。それを逆算していくと今回の6.0%では足りないんです。6.2%ぐらい欲しかったはずです。

Wikipediaより:編集部

ではこの先も厳しいのか、というと実は市場の反応はそうでもないのです。この発表を受けて上海市場は1.2%ほど下落しましたが、その他の国の市場ではやや弱気なものの気にしないと受け止められています。(本日のNYの下げはボーイング社など個別理由によるもの。)これは今回のGDPの結果が米中通商交渉によるいびつなもの、とみているからでしょう。

事実、中身を見ると工業製品は事前予想の5.0%増に対して5.8%アップ、消費も7.8%アップとおおむね好調で回復の兆しがあるところもあります。中国にも景気のサイクルがあるとすれば底打ちに近いところまで来つつあるのかもしれません。(中国はまだ個人消費が製造業とリンクする経済構造ですので消費サイクルによる経済循環は期待できるでしょう。)11月にトランプ氏と習近平氏がAPECで会談する可能性がありますが、今までの内向きバトルから解決に向けた新展開入りするのでしょうか?

英国の「最後の審判」!?

10月19日、土曜日、ロンドンでは大きな審判が下されます。秩序ある離脱を選ぶか、また漂流するか、であります。EUとボリスジョンソン首相は既に離脱案に合意しており、これを英国議会が飲むかをこの議会で投票します。過半数は320、票読みできる保守党は287、不足の33については保守党穏健派から20弱、独立系から10弱、労働党の造反が5-10ほど期待でき、個人的にはぎりぎりクリアするのではないかとみています。多くの報道はまだ予想を出していませんがそれほど接戦とも言えます。

仮にこれが議会で否決された場合、英国はEUに対して更なる交渉期間の延長を求めることを義務付けられており、トゥスクEU大統領は容認の構えですが、マクロン大統領はNOの姿勢です。いい加減にしろ、ということでしょう。個人的には英国議会がメンツのために世界中を振り回す結果となっていることに対して目覚めてほしいものです。

離脱後の英国ですが、私はかなり盛り上がるとみています。様々な新しい関係を構築するため東奔西走するでしょう。TPP11への加盟交渉も本格化するし、アメリカとの連携も更なる強化が期待できます。その場合、ヨーロッパ大陸は誰が主導するのか、ですが、最近画像で見る限りでもメルケル首相は本当に弱々しくなり目線はマクロン大統領に向かいますが、個人的には大陸の方が漂流する可能性があるとみています。英国の「抜け勝ち」という見方も出てくるかもしれません。

量子コンピューターの時代がやってくる!

こう書いても「はぁ?」と言われるでしょう。しかし、このコンピューターができると世の中の常識が一転する可能性があるのです。コンピューターのプログラムやセキュリティが完全に一新される必要があるでしょう。

日経に「『超計算』人類の手中に グーグル実証か」とあります。この超計算をするのが量子コンピューター。そのスピードはいわゆるスーパーコンピューターが1万年かかる計算を3分20秒で解いたと記事にあるように全く常識感が違うのです。ごく簡単に行ってしまえば今までのコンピューターは0と1の判断を垂直に一つずつ行っていたものを量子の場合は並列に置いて同時に一気に進める方式となります。

これがいつ世の中にやってくるのか、つい1-2年前は2025年頃と言われていましたが思ったより開発は進んでいます。その主体は北米。カナダ、バンクーバー近くで開発するDwaveが先行していましたが方式を変えてIBMがその後リード、富士通も量子とAI開発の頭脳をバンクーバーに移して頑張っていますし、今回のニュースはグーグルでした。どこもつばぜり合いの戦いをしています。

繰り返し言っておきますが、これが普及するとビットコインの秘密のカギは破られるので今のシステムはワークしなくなるとみています。リブラがこれに対応できるかが注目されます。銀行のセキュリティシステムも大きな影響があるでしょう。みずほ銀行さん、安心している場合ではないですよ。

後記

N国の立花さん、27日投票の埼玉の補欠選挙では形成が悪く落選の可能性があることからそれが落ちたら11月10日投票の神奈川県海老名市長選に立候補すると言っています。「滑り止め」扱いにされた海老名市の方は怒るでしょう。海老名に縁もゆかりもない人がなぜ、市長を目指すのか、と。この方は見境がなさ過ぎます。おまけに彼を擁護する堀江貴文氏を擁立する構えも見ています。マジか、とつぶやいているのは私だけではないでしょう。政治をそんな軽々しく思ってもらっては困ります。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年10月19日の記事より転載させていただきました。