「森ゆうこ放置」安倍自民のモラハラに保守層が爆発寸前

2019年12月08日 06:01

アゴラでおととい報じた通り、森ゆうこ参議院議員に対する懲罰請願は、自民・公明両党が賛否を明らかにしなかった。参議院の議院運営委員会としてはウヤムヤにしたまま、あす9日の会期末をもって審査未了の危機に陥っている。

維新以外の野党の反対は想定通り。原英史さんは望みを捨てず、国会法80条の規定で、議員20人以上の要求による本会議付託へ懸命に各方面に働きかけているが、厳しい情勢に変わりはない。

官邸インスタグラム

「自民に投票やめる」安倍支持層、怒りの声

しかし、ここにきてネット上の反応で「変化」を感じることがある。それは、安倍政権をこれまで支持し、森氏に対する懲罰を求める署名をした人たちからも苛立ちがヒシヒシと伝わってくることだ。

ツイッターのアイコンに日章旗や旭日旗を使うような、どちらかといえば、安倍政権を強く支持してきた右派の人たちも含まれている。私に対してリプを送ってきてくださった人たちだけでも、

野党が集結しようというのに自民党への苛立つ声が増えているのは危険な兆候だと思ってます。

安倍総理及び自民党議員は、この問題を過少評価していると大きな間違いを起こす。

総理はじめ自民党は微動だもない。残念ですが次回は維新に投票しようと思っています。

森ゆう子の懲罰動議の件で対応しないなら自民党に投票するの止めようかと思ってる。

などなど、失望や怒りは枚挙にいとまはない。そして、保守層に影響力のあるジャーナリスト、門田隆将さんも昨日は、「馴れ合いで国会を形骸化させ、野党の跳梁を許す自民党にこそ国民の鉄槌が必要」と、自民党の頰被りを批判した。

その門田さんに対しても、やはりネット民から

目覚めてくれ、自民党。

自民党支持では有りますが今の国対はあまりにも事なかれ主義で支持する気持ちが失せてしまいます。

自民はこれ有耶無耶にしはったら、しっぺ返しがあると思いますね…

などといった意見が続出していた。

弱すぎる野党が招く安倍政権のモラハラ

念のためだが、私やアゴラは安倍政権に対して「是々非々」のスタンスなので、安倍首相が支持層の期待を裏切ることには怒りも喜びもない。それに政治家は、時に支持層の不興を買ってでも決断しなければならないことがあるくらい、現実として知っている。

しかし、ある私のフォロワーが「見透かされてるのよね。どうせお前ら自民党以外に選択肢ないんだろって」と指摘するように、いま代わりの政党がないことをいいことに、安倍政権を割と支持してきた人たちに対しても「おごり」や「甘え」が出始め、ひたすらそれを繰り返すのであれば、ある種のモラルハザード、モラルハラスメントではないのだろうか

安保法制成立やモリカケのときの逆風をはね返せたのも、ネット世論で安倍政権の支持層がマスコミの世論に対するカウンターの潮流を作ってきた点が大きいのは多くが認めるところだろう。

一方で、近年の安倍政権を取り巻くコア支持層の動きをみていると、安倍政権は、まず消費増税を機に「反増税」派を切った。切られた人たちの何割かは先鋭化、MMTにハマって山本太郎氏ら「反緊縮」派と同調する動きすら見せている。

国益?保身?問われる支持層切りの理由

ただ、支持層を切るにも「国益」を大義に、極論を主張する人たちを遠ざけたのであれば説明もつく。「反増税」派の粛清はまさにそうだろう。ほかにも、元号の公表時期を新天皇の即位後という強硬な主張をした保守派の意見を蹴ったのも、代替わりに伴う社会混乱を抑えるリアリストとしての側面があったし、二次政権以後の安倍首相はそこに強みがあった。

中国の習近平国家主席を国賓待遇で日本に招くことについても、自民党内保守派の反対決議をされているが、それもまた米中貿易戦争のはざまで日中関係を戦略的に展開したいという思惑もあるのだろう。

官邸Facebookより:編集部

ところが、同じように、近しい人を遠ざける要因として、「国益」なのか「政治的保身」なのかよくわからないことがある。

政権の規制改革に尽力していた原さんを孤立無援の戦いに追いやっていることは、小泉政権の構造改革の流れを組む人たちを追いやることと軌を一にするようにみえる。実際、いまの規制改革担当相は、特区での獣医師養成に難色を示していた人物を任命しているわけだから(リンク先の3ページ目)、お里が知れようというものだ。

支持層をないがしろにする油断は許されるのか?

ちなみに、そのリンク先は、まさに今回の請願で安倍政権に“裏切られた”と受け止めている私のフォロワーが発掘してきたものだ。よもや、政権内部で「ネトウヨの世論への影響は極小」などとバカにしていまいか。一般のネット民とて見る人はよく見ている。

近く解散総選挙があった場合に思わぬしっぺ返しがないと自信を持って言い切れるか。

臨時国会では、2閣僚の辞任に始まり、来年度の桜を見る会は中止。大学入試改革は、民間英語試験見送りに続き、本丸の記述式が風前の灯だ。野党が年内にまとまるかは、まだわからないが、共産党も含めた共同戦線形成へ、暗躍する小沢一郎氏の手腕は侮れまい。

総選挙になっても、“絶対王者”の安倍自民が簡単に負けるとは思えないが、国益ではなく政治的保身を理由に、コア支持層をないがしろにするほど油断してもいいのだろうか。少なくとも森ゆうこ氏の懲罰請願に関して、心ある対応をするのか、署名をした66,624人の投票判断に及ぼす影響は小さくあるまい。

新田 哲史   アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長
読売新聞記者、PR会社を経て2013年独立。大手から中小企業、政党、政治家の広報PRプロジェクトに参画。2015年秋、アゴラ編集長に就任。著書に『蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた?』(ワニブックス)など。Twitter「@TetsuNitta」

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アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長

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