「未婚のひとり親」税額控除の満額回答:自民党女性議員達のもたらした変革

2019年12月13日 11:30

みなさま、応援ありがとうございました。御礼兼ねての報告させて頂きます。今回の税調は、重鎮たちをしてこんな税調は初めてと言わしめた、女性パワーが炸裂した税調でした。

女性議員達の熱意が伝播して男性議員含め賛同者は140人を大きく超えました(今も増え続けています)。重鎮で占められる税調もちゃんと応えて下さいました。自民党はやっぱり懐の大きな国民政党なのです。

自民党本部(編集部撮影)

昨日、自民党の令和2年度税制改正大綱案が固った。未婚のひとり親に対する税額控除が、既婚のひとり親と同じになる。未婚のひとり親に対しても、既婚のひとり親と同じように、既存の寡婦(夫)控除が適用されるようになる。男性のひとり親と女性のひとり親の格差もなくす。これは、小さいようだが、大きな変化への一歩だ。日本は、これから、もっと子供中心の、男女平等の、多様な人生を認める社会に変わっていくと期待する。

大綱の内容は以下のとおり。

「未婚のひとり親について寡婦(夫)控除を適用する。この際、適用する条件は死別・離別の場合と同様とする。

  1. 寡婦(夫)控除について、寡婦に寡夫と同じ所得制限(所得500万円(年収678万円))を設ける。
  2. あわせて、住民票の続柄に「夫(未届)」、「妻(未届)」の記載がある場合には控除の対象外とする。
  3. さらに、子ありの寡婦の控除額(現行所得税27万円、住民税26万円)について、子ありの寡夫(所得税35万円、住民税30万円)と同額とする。

なお、扶養親族がいない死別女性、子以外の不要親族を持つ死別・離別の女性(所得500万円(収入678万円)以下)については現状のままとする。」

先週そして今週10日の自民党税調において、稲田朋美幹事長代行筆頭に私を含め自民党の女性議員達は、未婚のひとり親への寡婦控除の適用を求め続けてきた。一人で子育てする大変さに結婚したことがあるかどうかは関係ない(大変だというなら、むしろ未婚で独りで産んで育てる方が大変。)。

子供は親を選べない。子供を中心に考えて、というもの。また、女性活躍を推進している現在においては、男女で所得制限に差を設ける必要もないとも主張。なお、本当は事実婚なのに「ひとり親」なりすまして控除を受ける不当受給は現行制度上も問題が既にあり、未婚か既婚に関わりなくこうした「なりすまし」を排除する実効的手段が検討されるべきとした。

税調を動かすべく賛同者を募り、本件与党協議直前の10日の税調では男性議員を含め実に140人を超える自民党議員が未婚のひとり親への寡婦控除適用に賛同(今も増え続けている)。こうした声を反映して自民党税調は動いた。

その結果が、前述の未婚のひとり親を完全に既婚の場合と同じに扱う、男女の差別もなくすという、満額回答だ。男女も婚姻歴も関係なく、全てのひとり親に公平な税制となったと評価するし、感謝する。女性議員達の力でこういう変化をもたらしたことも新しいと思う。

写真AC(編集部)

日本も少しずつ変わりつつあると手ごたえを感じる。

日本には、約130万人のシングルマザー、18万人のシングルファーザーがいる。多くは離婚によるものである。が、シングルマザーの16%は未婚のシングルマザーだ(10%と言われることが多いが、最新の数字では16%を超えている由)。未婚のシングルマザー団体のとある方からは「今年もダメかと思った。自分たちは差別されることに慣れてしまっていて、自民党の政治家はお願いしても無駄なんじゃないかと思っていた。木村弥生先生(京都3区衆議院議員)にお話しをしたら、『なんでもっと早く言ってくれなかったの。おかしいでしょ。』とおっしゃってくださって。そこから始まった。」と言っていた。

私自身、木村議員からこんな話があって今年の税調で何とかしたいので一緒にやろうと言われるまで、本件問題については知らなかった。その話を聞いて、ひとり親の大変さに婚姻歴は関係ないと思ったし、正直、今の日本なら中絶しても仕方のないところで敢えて産むことを選択してくれた勇気ある決断(仕方なくそうなった場合があるにしても)に対し、「未婚」ということで不利益取り扱いをするのはおかしいと思った。

むしろ、離婚の場合より最初から一人で子供を産み育てるのはより大変なはずであり、支援が倍でもいいくらいなのだ。子供は親を選べない。子供を中心に考えれば、未婚と既婚を差別する理由などあってはならないのは自明のことだ。

同じように知らなかった議員は多かったと思うが、特に女性議員は反応が早く、皆、私同様に「これはおかしい何とかしなければ」と思った。通常、税制など、支援してくれている団体などから頼まれて(むろん納得した場合だけだけれど)動く、ということが多いわけだけれど、今回の「未婚のひとり親控除」は、「これを何とかしないのはおかしい!」という純粋な正義感に突き動かされて行動していたということは断言する。

お金も票も全く期待できず、党内でのポジションが良くなるわけでもなく(むしろ悪くなるリスクあり)、ただただ、目の前で差別され困っている人を救いたい一心で立ち上がった。稲田朋美幹事長代行のリーダーシップの下、結束して税調で発言し、働きかけを回りの自民党議員に行った。子育てをしたことのある女性はどんなに子供を産み育てることが大変かわかっている。離婚したことがあればなおさら。

そうでなくとも子育てに多少とも関わった(特に若い世代の)議員達にとっては、子供中心に考えることに違和感はなかったと思う。違和感を持つ人たちがいるとすれば、多くは子育てを殆ど妻に丸投げしてきた世代の一部ではないか。今回の税調の満額回答は、こうした女性議員達の熱量が周りに伝わった、その成果だ。

今や本令和元年の出生者数は90万人を割り込む見込み。少子化は益々加速する。中絶することだっておそらくできたはずなのに勇気をもって生んでくれた未婚のひとり親には感謝しかない。いろいろな事情があって未婚でひとり親になっている。別に未婚を奨励するつもりは全くない。それにこの控除があるからといってそのことを理由に未婚を希望する人が増えるわけでもない。

シングルマザーの平均所得は約200万と非常に低い。が、未婚のシングルマザーの平均年収は約170万円とさらに低い。一人で産んで育てるのは本当に大変なのだ。

私は、今回、自民党が「未婚のひとり親」について、「婚姻暦も男女も差別しない」としたことは本当に良かったと思っている。そして、日本社会がいろいろな事情を抱えた人にとっても生きやすい社会になるべきだと思う。日本はもう成熟した先進国なのだから。誰もにとって幸福度の高い社会を目指すべきだ。

松川 るい   参議院議員(自由民主党  大阪選挙区)
1971年生まれ。東京大学法学部卒業後、外務省入省。条約局法規課、アジア大洋州局地域政策課、軍縮代表部(スイス)一等書記官、国際情報統括官(インテリジェンス部門)組織首席事務官、日中韓協力事務局事務局次長(大韓民国)、総合外交政策局女性参画推進室長を歴任。2016年に外務省を退職し、同年の参議院議員選挙で初当選。公式サイトツイッター「@Matsukawa_Rui


編集部より:このブログは参議院議員、松川るい氏(自由民主党、大阪選挙区)の公式ブログ 2019年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、「松川るいが行く!」をご覧ください。

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松川 るい
参議院議員(大阪選挙区、自由民主党)

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