「パラサイト 半地下の家族」世界に広がる格差社会映画

2020年01月14日 11:30

昨日は、夫と一緒に六本木ヒルズのレイトショーで話題の映画「パラサイト 半地下の家族」を観てきました。
いや~なんというか・・・ぶっ飛んだ映画でした。

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カンヌのパルムドールをはじめとして、いまやあらゆる映画賞を総なめにし、米国アカデミー賞に韓国映画として初の作品賞にノミネート!
話題性もあることから世界各地で大ヒットしてますが、前半のコメディータッチの物語の展開はスピード感あふれ、とにかく面白く、後半は、重いテーマでちょっとホラータッチ・・・考えさせられることが多いです。

韓国の貧困層のおよそ2%が住んでいるという「半地下」という住居形態、それに対する富裕層の高台の住まいとの対比など、韓国のすさまじい格差社会や社会問題がよくわかる映画でした。

昨年、韓国に視察に行った時に、案内してくれた韓国ダルクの方が、「韓国はいまだに財閥が仕切っていて、財閥に対する一般庶民格差は一向に縮まることがない。」とおっしゃっていたのが印象的でしたが、それをまざまざと見せつけられました。

それにしても今、高い評価を受ける映画はみんなこの「格差社会」がテーマですよね。
もちろん日本もその格差社会にあえぐ衰退国家となっていますが、もうこれは世界の潮流と言えるのでしょうね。

日本映画の金字塔の一つとなった「万引き家族」から始まり、昨年、話題となり現在オスカーを争っている「ジョーカー」は米国映画ですし、同じく昨年話題となった社会派の代名詞ケンローチ監督の「家族を想う時」は英国映画。
そしてこの「パラサイト 半地下の家族」は韓国発と、製作した国は違ってもみんな格差社会を扱っています。

そしてそれらの映画が世界中で大ヒット。
多くの人々が、社会に不満や不安を抱えていて「このままじゃいけない」と思っている証拠ですよね。

かくいう私も、この格差社会に心を痛め、問題意識を持つ一庶民ですが、かといって今の政治の流れなどをみていると「じゃあどうすればいいの?」「何ができるの?」という気持ちになります。

日本の「相対的貧困率」は今や15.7%(2016年OECD調査による)6人に1人が貧困状態で、G7では米国の次に高い比率と言われています。
「子供食堂」が次々に作られるような事態になろうとは、国民の誰もが予想だにしなかったはずです。

そしてこの状態は一向によくならないどころか悪くなる一方。
それなのに政治は企業や既得権者の方しか見ていません。
こんな状態をどこかで打破したいと、国民の多くは想っているはずなのに、その打開策は全く見えません。

こういった格差社会を扱う映画を見るたびに、暗い気持ちになりますけど、考えることや感じることをやめてしまったら堕ちていく一方ですもんね。
映画好きの私としては、映画界を盛り上げるためにも、そして格差社会や社会問題について多くの人たちが考えたり、感じたりするためにも、この話題作、是非ご覧になって頂きたいです。

個人的には「ジョーカー」の方が好きですけど、韓流映画が好きな方にはたまらない作品となっていることでしょう。
いやホント面白いですよ。

こんな閉鎖的で不公平な社会、本当にうんざりだ!って思って久しいですけど、社会って結局は個人の集合体ですもんね。
私も「社会」という都合のよい言葉に「パラサイト」して「社会が悪い!」なんて叫ぶだけの実際はなんにもやらない傍観者とならないよう、これからもせめて依存症問題には、精一杯取り組んでいこうと思っています。
やはり1人1人が何かを変えようと行動するしかないんですもんね。

ところで「パラサイト」と「ジョーカー」オスカーどっちがとるでしょうね?
いや、どっちでもない全く違う作品かもしれないですけど・・・
結果を見るのが楽しみです。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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