コロナは日本ではたいしたことないはずだから見直そう説が大御所から上がる

永江 一石

わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では、5月からの塾生を募集しています。コロナ禍の間、希望者は毎月30分。わたしと1:1でzoomでブレストができます。

昨日書きましたこのエントリー

日本人(アジア)にどうして新型コロナが広がらないか、どんどん権威ある説が出てきたので紹介するよ。コロナは日本では恐くない

要点をまとめると、

◎以前から東アジアの感染率や致死率が欧米よりずっと低いことを疑問に思っていた
◎凄い速さでゆるゆるの規制なのに感染拡大が終了しているのは、そもそも新型コロナに罹患する人が日本では非常に少ないのではないか
◎なのに欧米以上に規制をするのはそもそもおかしい

ということを私は以前から主張してきました。
これに対し

●免疫学の権威の大阪大学免疫学フロンティア研究センター宮坂昌之招へい教授が「自然免疫と獲得免疫があり、コロナを自然免疫で撃退した可能性がある。8割おじさんの西浦氏の計算は前提が間違っている」 → 西浦氏はFacebookでそれを認める

●東京大学先端科学技術研究センター 児玉 龍彦教授が東京の抗体所有率は0.6%であり、東アジアは新型コロナにたいして元々の免疫があるとしか考えられないが、これは数多くのコロナを東アジアの人たちが罹患したからという仮説を提言

という、まさに私の仮説を裏付けるような専門家からのお言葉….痛み入ります。というか、普通に考えれば「あれ、欧米が特別なだけで他の国はたいしたことないだろ」と思うのが普通の人なのだが、医者はとにかくゼロリスクにしたいし、日本の政治家はなにも考えずにいうがまま。

当初はなにがなんだかがむしゃらにやってきたわけですが、いろいろなことが分かってきた今、はたしていまでも「日本はニューヨークになる」とか「東京はこれから感染爆発する前」(小池都知事)みたいなトンデモなことをいう首長がいるわけです。東京都の抗体保有率は0.6%しかないからこれから凄いことになると本気で思っていそう…それ、ワイドショーの見過ぎ!

シンクタンクから次々と出てくる分析と経済的視点

シンクタンクとは、政治、経済、科学技術など、幅広い分野にわたる課題や事象を対象とした調査・研究を行い、結果を発表したり解決策を提示したりする研究機関でデータ分析のプロフェッショナルです。特に銀行系では三井・住友系の日本総研、三菱系の三菱総研、みずほ系のみずほ総研などが有名です。

政府が経済の専門家に相談するときは個人のレベルではなく、シンクタンクにレポートを出してもらう事が多いと思うのですが、まずは日本総研の5/7のもの

新型コロナ対策はデータに基づく総合判断を~わが国の公表死亡率が大幅に低下する可能性~

◎新型コロナ感染の実態は依然不明瞭ながら、最近の調査によれば、実際の感染者数は公式統計を大幅に上回る可能性を示唆。この場合、新型コロナに感染した場合の致死率は、公式統計より大幅に低下することに。

◎新型コロナ対策としての活動制限は「感染率は低いが、致死率は高い」ことが前提。もし「感染率は高いが、致死率は低い」との認識に変わるのであれば、緊急事態宣言を見直して、緩やかな活動自粛にシフトすることを検討すべき。

◎2月以降の活動制限によって、わが国は深刻な景気後退に突入。社会政策として国民に犠牲を強いるのであれば、その根拠をデータで明示することが必要。緊急事態宣言を継続するうえでも、国民の納得感は不可欠。

◎そのためにも、抗体検査によって真の感染率・致死率を早急に調査すべき。いたずらに危機感を煽るのではなく、新型コロナのリスク、景気後退の損失を冷静に分析し、わが国に相応しい対策を講じることが不可欠。

要するに、当初は「感染率は低いが、致死率は高い」前提であったが、それが変わっているなら対策も変更せよ! ということです。ちなみに東京大学先端科学技術研究センターの発表で「感染率は低いが、致死率も低い」前提に変わりました。

そしてこちらは、元東大学長の三菱総合研究所理事長の小宮山 宏氏が日本医師会のCOVID-19有識者会議サイトで公開したもの。さすが学者だけあってわたしのブログとは説得力が違います。

「コロナ禍からの脱出」のための知の構造化

コロナの専門家会議は、感染症や医療の専門家だけである。あの危険この危険と思いつくから、隔離論に傾きがちだ。「コロナのためなら死んでもよい」となりがちなのだ。陥穽に落ちこまないためには、他の領域の専門家の批判を受けることだ。たとえば、上のような疑問に答えることだ。「国民に分かりやすく伝える」というが違う。大事なことは、「他の領域の専門家(誰でもそうだ)が納得できる」ように説明することだ。

と、切々と訴えられ

均一に接触確率を減らそうという基本策自体を修正すべきだ。医療施設や介護施設、家庭での高齢者などの防護に資源を集中し、一般社会の速やかな活動再開に向かう。そして、第二波、第三波に備え、ワクチン、薬の開発を急ぎ、さらにはウィルスの強毒化といった最悪事態をも視野に入れる持久戦だ。

単一に全員が自粛せよという基本策が無意味であるとおっしゃっていてわたしも本当に同意見です。
その根底にあるのが欧米が特殊で日本のコロナは感染率も死亡率も低いというファクトです。当初は非常に危険で恐いものだったから厳しい施策も必要と思われた。しかしいまは違うのです。

しかし、政府も専門家会議もそのファクトにはほとんど触れない。そういうと気が緩んで感染が広がると考えているのか、それともその通りだがそういってもし外れたら責任を問われると思っているのか。おそらく両方あると思うが、いまや経済は崩壊している。

失業率が3%あがると、10万人あたりの自殺者は8人増えるのである。日本全体では10000人だ。コロナでは1000人も死んでいない。しかもその内訳は

と完全に高齢者シフト。しかし経済破綻で死ぬのは現役。死ぬには至らなくても学費が払えず退学したり、解雇されたり、住宅ローンが払えず個人破産したり、経営していた企業が倒産したりと物凄い数の現役が夢を失う。

バブル崩壊の時は

数年後に自殺者が年1万人増えてそれがずっと続いた。

自殺も企業倒産も自己破産も、すぐにではなく数年遅れでやってきた。いまはまだ政府が貸し付けをしたりしているが、これが永遠に続けられるわけがない。数年経ってにっちもさっちもいかなくなった特に破滅を迎える人が多発するのだ。

こういうことを最低限に抑えるためにも、

日本にとってコロナウイルスはどの程度の脅威か

の見直しを大至急行い、それに沿った施策に変えて欲しいと切に思います。もう何も分からなかった2月とは違うんです。たくさんデータも揃っています。これは政治家としての義務なんです。

迷っていましたがAirPod Proいきました。Zoomの会議用です。w バッテリーが持つのとノイズキャンセラーついてるので…


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年5月18日の記事より転載させていただきました。