「笑顔」ってそんなに大事?

2020年07月28日 06:00

写真AC:編集部

先日、以下の記事を拝見しました。

AIでスマイル判定 愛知の保育園「笑顔採用」募集スタート(産経ニュース)

タイトル通り、AIで「笑顔」を判定し、採用に活用するといった内容です。

驚いたのは、AIではなく、笑顔への配点の高さです。100点中50点を、AIが採点した笑顔が占める。採用されるかどうかは、「笑顔」次第ということになります。

「笑顔」を見せる。男性、特に私のような昭和世代は、苦手とする人が多いのではないでしょうか。

体育の授業や部活で「歯を見せるな」「へらへら笑うな」。そう指導されてきた世代です。表情筋もすっかり硬くなっているのです。同世代の名刺に記載されている「笑顔」の写真。あぁ、撮影大変だったろうなぁと同情することもしばしば。

「笑顔」はそれほど大事なのでしょうか。

今回は、保育士、講師、心理学者、経営者といった方々の見解を元に考察してみたいと思います。

保育士の見解

最近お会いする機会のあった、知人である保育士の女性に聞いてみました。採用において、半分を占めるほど「笑顔」は大事なのでしょうか?

「もっと大事」と彼女。

小さい子供は、言葉でコミュニケーションできない。「笑顔」ならそれができる。そもそも、笑顔じゃないと、子供は寄ってこない。笑顔は「必須」である、とのこと。

なるほど。確かに、小さい子供相手だったら納得です。

では、大人同士だったら?

日本顔学会会長 菅沼薫氏の笑顔論

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昨年、日本顔学会会長 菅沼薫氏の講演をお聞きしました。

一言で言うと「笑顔は人のためならず」。そんな内容でした。

もちろん他人のためでもある。集団を元気にする効果もある。けれど、自分のためでもある。笑顔でいると、自分のファンが増える。自分を癒すこともできる。「幸せだから微笑むのではなく、微笑むから幸せになれるのだ」とのこと。

とても説得力のある内容でした。

男の子を持つ母からの質問

ところが、講演の最後に、女性から質問が出ます。小学生の男の子を持つお母さんです。

これまで「笑顔」が大事、と育ててきた。でも、小学校に通うようになったら、笑ってばかりいるせいか「舐められ」いじめられるようになった、と。

これぞまさに、昭和の男が笑わない理由ではないでしょうか。笑うと「舐められる」。だから無愛想になる。だからエラそうに振る舞うのです。

心理学者 内藤誼人氏の見解

舐められるから笑顔は見せるな。そう主張するのは、心理学者の内藤誼人氏です。

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いつも「笑顔」は逆効果。むしろ「無表情」に徹する(ダイヤモンド・オンライン)

内藤氏は、ニューヨーク ヴァッサー大学のデータを根拠に、笑顔の度合いが強まるほど、威厳を感じられなくなる。笑顔を見せていると卑屈で弱そうな印象を与える。つまり、笑顔だと相手に「舐められる」、と結論付けています。

この理論は、昭和の男の行動を裏付けているように思えます。

では、女性はどうでしょうか。

女性経営者 S氏の人づき合い論

「舐められる」点では、はるかに女性の方が苦労しています。

以前、お仕事をいただいた、女性経営者のS氏もその一人です。女性だからと舐められ、不利な取引をさせられたことが、何度もあったそうです。でも、現在は、全くそのようなことは無いとのこと。

そこでお聞きしました。舐められないためにはどうすればいいのでしょうか?

「舐めてくるような人とは、付き合わなければいいのよ」とS氏。

女性だから舐めてくる、そんなのロクな人じゃない。長い目で見れば、取引しないほうが良い、というお答えでした。

これがファイナルアンサーかもしれません。笑顔を絶やさない。笑顔に付け込んで、舐めてくるような人物とは付き合わない。

果たしてここまで自分が達観できるかどうか。今後の生き方次第でしょう。

まずは表情筋をほぐすことから始めましょうか。

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