コロナで露呈した「地方の息苦しさ」

2020年08月12日 11:30

お盆シーズンになりましたが、今年は帰省ラッシュもなく、静かな夏になっているようです。

世間ではお盆の帰省をするべきか、それとも控えるべきかという議論が盛んに行われています。また、ニュースでは、地方に出かけた東京ナンバーの車が嫌がらせをされたり、東京ナンバーの駐車場利用お断りという掲示をして、あからさまに東京からの人を締め出そうとしているところもあるようです。

私の友人でも、東京から実家に帰省しようとしていたら、親から実家に来ないで欲しいと言われたという話を聞きました。近所の人たちに知られると、世間体が悪いからだそうです(笑)。今や、地方から見ると東京にいる人は「バイキン」扱いです。

確かに、田舎にいる高齢者にコロナウィルスが感染するようなことは、避けるべきです。しかし、東京から来たというだけで、全ての人を感染者扱いするのは、かつて人類が犯してきた差別的行動を思い出させます。何だか不気味で危険な対応です。

東京は、人情が無い、無機質で冷たい場所、
田舎は、素朴で人情に厚い、温かい場所

これが、一般的に認識だと思います。しかし、田舎はコロナウィルスのような事態が起こると、隠れていたムラ社会文化が姿を現し、異物を排除する。都会より田舎の方が優しいというのは、平常時は正しいかもしれませんが、非常時には当てはまりません。すべての場所がそうだとは言いませんが、どこの国でも似たような傾向があることは事実です。

最近、東京を脱出して地方に移住を考えている人が増えているようです。移住した当初は良くても、いずれこのような地元の体質が精神的に耐えられなくなるのではないかと危惧します。

確かに、東京の人たちは他人に無関心のようで、冷たいと思うかもしれません。しかし、その無関心こそが、他人に対する寛容だと考えることもでき、自分とは違う人たちを受け入れる懐の深さにもなっているのです。

私は、東京こそ誰でも受け入れてくれる人にやさしい場所だと感じ、だからこそこれからも住み続けたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年8月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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