大統領選勝利へ、ベネズエラに軍事介入:ルビオ氏、トランプ氏に訴え

2020年09月07日 06:00

仮にトランプ大統領が11月の大統領選で勝利すると、米国がベネズエラに軍事介入することが取り沙汰されている。トランプが現状のマドゥロ政権下のベネズエラをこの先4年間傍観する可能性はないからである。ところがトランプの大統領選勝利が微妙になってきた。

2017年3月、トランプ氏と学校視察するルビオ氏(左から2人目、WhiteHouse公式flickr

そうした中で、ラテンアメリカとの外交問題について、トランプが非常に信頼を寄せている、フロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員が、トランプに大統領選の前までにベネズエラに軍事介入することを説いているという。それにより、いつもの大統領選で勝敗のカギを握るフロリダの29票をトランプが確実なものにできるとルビオは見ているというのだ。

ところが、それに反対しているのがペンス副大統領とポンペオ国務長官だ。軍事介入となると大きなリスクを伴うからだ(参照:hispantv.comlapoliticaonline.es)。

ルビオがこのような結論に達しているのも、ベネズエラ野党のリーダー、グアイドを支持して行く外交は既に失敗に終わったというのが明白になっているからである。実際、グアイドーを暫定大統領と呼ぶこともなくなった。しかも、野党内の分裂が目立つようになっている。

しかも、最近は、ベネズエラのマドゥロ政権がイランからミサイルを購入することを計画しているという。一部の情報筋からはすでにミサイルの購入を決めたという憶測も出ている。それは、米国の南米における航空母艦と評されているコロンビアを危険にさらすことになる。

だから、早急にベネズエラへの武力介入を急ぐ必要があるとルビオは判断しているようだ。

マドゥロ氏ツイッターより

最近、トランプがドイツから9500人の軍人を撤退させたが、それもこの軍事介入に加える意向だというのをメキシコの軍部では想定しており、それはアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領の耳に入っているという(参照:lapoliticaonline.es)。

イランからのミサイル購入については、5月22日にベネズエラのカリブ海にある保護領オルチラ島にてミサイルの発射実験を行ったとされている。そのミサイルはイラン製Taer-2で、これはロシアのミサイルBukを改良したものでイランで生産されている。このミサイルをベネズエラが既に購入していることはコロンビアの諜報機関のある高官からコロンビア紙『EL TIEMPO』に伝えられたというのだ(参照:eltiempo.com

トランプが軍事介入することを警戒してマドゥロは軍備強化を図っているようだ。

米国が今後もマドゥロの動きをそのまま放置しておくと、ベネズエラはいずれイランの軍事基地となってしまうという懸念がある。イランがベネズエラとの関係を強化して行けば、テロ組織ヒズボラがベネズエラに根を下すようになる。

既に、南米のアルゼンチン、パラグアイ、ブラジルの3か国が国境を形成している地点ではヒズボラの南米における活動の拠点になっている。イランがベネズエラとの関係を深めると、この3つの国境地域におけるヒズボラの動きをさらに活発化させる可能性が出て来る。

国際テロ・犯罪組織の阻止委員会のカルロス・パパロニ委員長はイランとベネズエラの間で400億ドル以上の協定が結ばれていることを明らかにした。その一環の中には食料不足で苦しんでいるベネズエラにイランがスーパーマーケットMegasiを開店させたという出来事もある(参照:lapatilla.com)。

一方の隣国のコロンビアにとってベネズエラが武装強化すると、両国の国境近くに地盤を築いている民族解放軍や前コロンビア革命軍の残党らが形成している犯罪組織にベネズエラ政府から武器の供給頻度が高まる恐れがある。それはコロンビアの安全が脅かされるようになるということから、マドゥロ政権下の現状をそのまま制裁を科すだけでそのまま現状を放置することをトランプが容認するとは考えられない。

こうした事情があって、ルビオ上院議員は軍事介入を大統領選挙の前に行えとトランプに説いているのである。

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白石 和幸
貿易コンサルタント、国際政治外交研究家

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