こんにちは。大田区議会議員のおぎの(荻野)稔です。安倍総理の辞意表明から、自民党の総裁選が連日、メディアでも注目を浴びています。そういった中、若い方を中心にバーチャルで交流をしようと、総裁選候補者の一人の石破茂氏の陣営が「あつまれ どうぶつの森」を選挙戦に活用するとニュースになりました。
【総裁選ドキュメント】石破氏「あつ森」活用へ バーチャル空間で交流(産経新聞)
自民党総裁選に出馬する石破茂元幹事長の陣営は6日、国内外で人気を博している任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のソフト「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)を選挙運動に活用すると発表した。街頭演説の実施が見送られる中、ゲーム空間を利用して党員らと交流を図る。
あつ森の活用はアメリカ大統領選挙の候補者、バイデン氏の陣営が活用するとニュースになったこともあり注目されるかと思いましたが、一方で任天堂の利用規約で政治的主張を含むものの活用が禁止されていることがニュース当初から指摘をされ、話題になっていました。
【総裁選ドキュメント】石破陣営の「あつ森」活用は中止? 政治主張は規約違反の恐れ(産経新聞)
自民党総裁選に出馬する石破茂元幹事長の陣営が任天堂の人気ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)を選挙運動に活用すると発表したことをめぐり、同社の利用規約に違反する恐れがあることが6日午後、分かった。石破氏陣営は「確認のため、いったん(計画を)停止する」とコメントした。
総裁選で若者に向けた活用と盛り上がりそうなところに、ケチがついてしまったような形になりましたが、実は日米で任天堂の利用規約に違いがあったことも遠因かもしれません。
米大統領候補バイデン氏陣営が『あつまれ どうぶつの森』で選挙活動。新たなオンライン活動として注目集めるも、規約違反の可能性も(AUTOMATON)
一方で、今回の取り組みは任天堂の規約上グレーゾーンとなっているおそれがある。日本国内のニンテンドーアカウント利用規約「8. 禁止事項」において、政治的または宗教的な主張を含むものに該当するユーザーコンテンツの共有または送受信を認めないことが記載されており、選挙活動における『あつ森』の活動はこれに抵触する可能性が高いといえるだろう(ただし、任天堂が特別に許可したものはこれに当たらないという)。一方で米国規約においては明確に政治的活動を禁止する条項はなく、米大統領選における利用が違反であると断言できない。
選挙や政治活動において「若い方を中心に興味を持ってもらいたい」「新しいツール、技術を活用する」ことは決して間違ったことではありません。しかし、実際にそれを運用する場合はゲームのルールや規定などを守ることも大切ではないかと思います。
また、普段からそうした文化やツールにも慣れ親しみ、選挙が近いから急に言及したと思われない工夫も大切だと思います。ゲームファンや若い人に興味を持ってもらおうとした活動でかえって、そういった方々から不興を買ってしまっては本末転倒です。私も同人誌の発行やゲーム、議員系Vtuberなど様々な活動をしておりますが、一層注意しながら活動をしていきたいと思います。
荻野 稔 東京都大田区議会議員(無所属)
1985年生まれ。高校卒業後、クリエイター養成の専門学校で学ぶ。NPO法人で身体・精神障害者の支援に取り組み、働きながら慶應義塾大学経済学部通信課程に進学。都議秘書を経て、2015年大田区議選で初当選(現在2期目)。自殺問題やクールジャパン、著作権、ネット規制、表現の自由などの問題に力を入れている。公式サイト