放送の電波に通信プロトコルIPを乗せ情報・データを発信する「IPDC」。
ぼくが会長として設立したのが2009年。
10年を経て具体的な動きが現れてきました。
https://www.ipdcforum.org/
TBSテレビ、日本テレビや毎日放送、讀賣テレビ、関西テレビ、朝日放送、テレビ信州などの放送局、スペースシャワー、ソニー・ピクチャーズなどのコンテンツ、電通、博報堂などの広告、そしてNTTスマートコネクト、NEC、SCSK、マスプロ電工などシステム系も参加しています。
NOTTVが撤退した後のV-high周波数帯を使い、防災などの情報を提供する動きが始まっています。
東京・竹芝でわれわれが進めるテック・ポップ特区CiPは、既に特定実験試験局の免許を取得し、スマホ、デジタルサイネージなどのIT機器、センサーやRFタグなどのIoT機器などに、緊急・防災データを送信するIoT放送実験を行います。徳島県阿南市でも、四国放送の協力をえて、実際のフィールド実証実験を行います。
総務省は実証期間を今年度までと定め、ユースケースの早期具体化を求めています。そして2021年3月にはV-high活用方針を策定する腹積もり。IPDCマルチメディア放送など放送サービスの高度化やIoT端末向けデータ同時送信システムなどが有望視されています。
IPDCはFM東京グループがV-Low周波数帯で採用していました。が、2020年3月末をもってサービスを停止。自治体がV-lowでV-ALERT(自治体向け防災情報広報システム)に使っていた仕組みを地デジに引っ越す動きが出てきました。既に、テレビ信州や南海放送が、地デジでIPDCを行うための追加の免許を取得し、自治体と組んだ実験を始めています。
これを踏まえ、本年度、IPDCフォーラムは2つの基本方針で進むことにしました。
まず、既存の地デジ資産を有効活用し、地デジ波による高度な防災行政無線の実現を図るとともに、V-lowからの引越しも実現させる制度設計(通信・放送両用免許の具体化など)を総務省に働きかけます。
第2に、IoT放送の実現を図る。2020年度は実証実験を継続し、その成果を踏まえ、全国1波で空いているV-high帯におけるIoT放送の制度化を総務省に働きかけます。
始まります。よろしく。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2020年11月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。